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「 何度も言いますけど、わたしは観音坂先輩に見て欲しかったんです 」




ただ、わたしを。わたしを、そういう目で。
観音坂先輩にだったらどんな目で見られても平気だった。嬉しかった。部下としても、一人の女としても。見てもらえるだけで、良かった。そんな感情がいつの間にか何処かで形を変えて、わたしを我儘にした。何時からか、わたしだけを見て欲しいなんて、そんな感情を抱いてしまった。付き合ってもいないのに、都合のいい願い。それすらも吐き出したいほど、観音坂先輩への想いを隠してるのが辛かった。





「 でも、いいんです。観音坂先輩が優越感を感じちゃうって言ってくれた日から、なんでか心が楽で 」




振り向いて欲しい。隣に立ちたい。その笑顔も声も態度も、全部独り占めしたい。そんなずるい感情は相変わらずだけれど、観音坂先輩を映す視界は色付いて見えたから。
好きだけど、このままでいい。好きだから、このままがいい。そんな、矛盾した気持ちが生まれたの。女の子なら、分かると思うけど。

観音坂先輩は黙って聞いていた。わたしが一人語りしているようだ。でも、今なら言えるのかもしれない。勢いで、好きですって。そんな勇気ないって、入間さんにも言っちゃったけど、こういうのって勢い大事だから。
動かした唇と、漏れ出した声は、観音坂先輩に届いているのだろうか。思わず閉じた瞼を、ゆっくりと持ち上げる。いつまで経っても返事はなかった。少し不思議に思って、観音坂先輩を見る。そして、気付く。




「 ……観音坂先輩? 」

「 ふ、ぅ…… 」




頭がデスクに下げられていた。頬をぺたりとつけて、その瞳をとじている。心做しか観音坂先輩の呼吸が荒い。もしかして、と思い駆け寄った。観音坂先輩の顔を覗き込んで、その呼吸を確かめる。少しだけ早い。掌を額に当てて、ようやく今日感じていた違和感とひとつの事実が繋がった。

この人、一日我慢してたのか。
触れた額はあまりにも熱かった。火照る頬と熱い体、乱れた呼吸。どう考えても風邪だ。熱さから考えて相当熱もあるだろう。


どうしてこの人は我慢してしまうのだ。わたしの告白に対する自分に気持ちも、今現在抱えている熱にも。少なくとも熱があって、その状態で頭を使うなど、苦しいに決まってる。それなのに、どうして誰にも頼らないのか。それは頼られるだけの信頼が、わたしにはまだないからなのか。そう考えて、思わず泣きそうになった。

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葡萄爽希(プロフ) - どっぽちん…君は最高にかわいいよ!!!! (2022年10月4日 21時) (レス) @page45 id: d897661d77 (このIDを非表示/違反報告)
y - オリキャラ出すなら注意書きしてほしかった… (2022年5月7日 8時) (レス) @page15 id: 103c948e3e (このIDを非表示/違反報告)
ヒプマイ好き推し決められん - どっぽちん…お前可愛いかよ…(((((殴はっ!!!(`°A°´)し…死ぬところだった…ヤバイヤバイ((汗 良い作品ありがとうございます!!!応援します!!!頑張ってください!!!!!!! (2021年5月16日 15時) (レス) id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきごん - ステキな作品をありがとうございます…!!どぽちん可愛い…!! (2019年10月2日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
ましろ.(プロフ) - れをさん» コメントありがとうございます。最後までお読みいただき、また独歩くんと夢主ちゃんを見守っていただき本当に有難いです。完結できたのも読者の皆様のおかげだと大変嬉しく思っております 。○ 最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 (2018年11月25日 8時) (レス) id: c3377e09aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましろ. | 作成日時:2018年10月12日 17時

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