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｢ ……あの、わたし、変なこと言いましたか ｣
夕暮れ、だ。オレンジ色の光が影を濃く映し出す、そんな時間。黄昏だなんて言うのだろうか。今だけは、誰そ彼であってほしいと願ってしまうわたしは、やっぱり臆病なんだろうけど。
目を覚ますと、隣には観音坂先輩がいた。ゆっくり身体を起こすと布団ズレの音に気づいたのか、薄く瞳を開けた観音坂先輩が此方を見て、起きたのか、へらりと笑った。目の下の隈、また酷くなったみたいだ。
観音坂先輩と神宮寺先生から事の経緯を大雑把に聞いて、まず最初に謝った。自分から行くと言っておいて、出向いた先で倒れるなど。社会人として言語道断、自分の体調管理すらまともに出来ないのか。頭を下げたわたしに、二人は暖かく笑ってみせた。悔しさと嬉しさが混じりあった涙は零れないようにぎゅっと口の端を結んだ。
仕事は既に終えていたようで、そのまま会社に戻ることにした。観音坂先輩と並んで歩く道。行きはあんなに心が弾んでいたはずなのに、今は酷く重たい。足が、鉛のように感じられた。
｢ ______変なこと、って？ ｣
｢ わたしは、観音坂先輩のことが好きですけど、先輩はそうじゃないって ｣
心のどこかで割り切ってしまった自分が居たから、何を口走ったか分からない。
不安だった。自分でも気付かないうちにまた観音坂先輩を困らせる言葉を吐いたのではないか、観音坂先輩に縋るような言葉を吐いたのではないかと、何時だって不安なのだ。観音坂先輩の中に恋心なんて欠片もないのだと分かったあの時から、心の奥が泣いて泣いてしょうがない。
だから、いっそ突き放して欲しいのです。
わたしの心なんて、ぼろぼろに砕けて欠片も残らないくらいに。観音坂先輩の言葉で、声で、態度で、突き放して。そしたらちゃんと、二度と、観音坂先輩のことを好きだなんて思わないようにするから。
涙混じりの声が、地面に落ちる。
でも先輩。貴方はほんとうに狡い人だね。女の子の涙なんて慣れてないくせに、無理してしわくちゃなハンカチ差し出して。
｢ ……おれは、狡いから ｣
｢ 日下部さんの好意に、優越感を感じてしまうから。もう少しだけ、なんて、我儘を抱いてしまうんだ ｣
ごめんね、って涙を掬う。
先輩、わたし、こんなにも先輩が好きです。だから、そんな風に期待させないでください。
まだチャンスがあるって。
観音坂先輩がコッチを見てくれるって。
そう、思っちゃうから。
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葡萄爽希(プロフ) - どっぽちん…君は最高にかわいいよ！！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page45 id: d897661d77 (このIDを非表示/違反報告)
y - オリキャラ出すなら注意書きしてほしかった… (2022年5月7日 8時) (レス) @page15 id: 103c948e3e (このIDを非表示/違反報告)
ヒプマイ好き推し決められん - どっぽちん…お前可愛いかよ…(((((殴はっ！！！(`°A°´)し…死ぬところだった…ヤバイヤバイ((汗 良い作品ありがとうございます！！！応援します！！！頑張ってください！！！！！！！ (2021年5月16日 15時) (レス) id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきごん - ステキな作品をありがとうございます…！！どぽちん可愛い…！！ (2019年10月2日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
ましろ.(プロフ) - れをさん» コメントありがとうございます。最後までお読みいただき、また独歩くんと夢主ちゃんを見守っていただき本当に有難いです。完結できたのも読者の皆様のおかげだと大変嬉しく思っております 。○ 最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 (2018年11月25日 8時) (レス) id: c3377e09aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ましろ. | 作成日時：2018年10月12日 17時
