第五話 ページ7
『ほら、食えよ。』
少年の目線に合わせられるように、しゃがんで差し出す。
少年は相変わらず無表情で何もしないが、こちらを見ている。
『飯くらい、食ったことあるだろ？パンだよ、パン。』
こうやって食うんだ、と目の前でもう半分をかじって飲み込む。
一応、まだ幼い子供だ。喉に詰まらせないか心配だったが、まずは手にとってくれるかだな…
？「…お前さん、そいつは何千と命を殺してる大罪人やで。
そんなことがバレたら、お前さんまで飯をもらえなくなるんはわかるやろ？」
牢の外から、声が聞こえてくる。
まぁ、ここ筒抜けだしな。
防音なんかあるわけないから、こっちが話してることはあっちにも筒抜けなんだ。
『…確かに、命を奪うことには責任が伴い罪と隣り合わせです。
しかし、だからといって幼い彼を俺は見て見ぬふりをしてしまったらダメだと思うんです。』
彼は確かに人の命を理不尽に奪った殺人者かもしれない。
でも、俺らと同じ人間でしかもまだ幼い子供だ。
拙い心で、何を思い人を殺すに至ったのかはわからない…というか、そもそも人なのかもわからないが
目の前で死なれるのは夢見が悪いもんだ。
まぁ、俺も命を扱ってきた人間だしな。
目の前にいる少年に向かって、一口サイズにちぎったパンを口元に持っていく。
『コレを食べるんだ』
少々強めに口の中に物を入れると、少年はようやくコレが食べ物だと分かったのか
ごくん、と飲み込んでくれた。
そのまままた残りのパンを手渡すと、俺がさっきやったように一口サイズにちぎって食べ始めた。
これでとりあえず大丈夫だな…俺も食べよ。
はむ、と口にする。………が、
『かった？！？！なんだこのパン！！！w』
？「牢人に与えられるパンなんかこんなもんやでwはは！w」
『最初に言うてくださいよ〜！w』
？「すまんすまん、Aは優しいんやなぁと思って。」
『何ですかそれ』
？「いや〜なんでもないでー」
？(ただ、この世界で苦労しそうやなと)
俺はベッドにまた座り直し、パンを食べようと構えると
少年がまんまえまで来ていた。
どうやらここが限界のようで、足の鎖はピンっと張っている。
よく音も立てずにここまで来れたな…と感心していると、
少年は俺と同じようにベッドに座りたいのかガチャガチャと音を鳴らしながら手を伸ばしてきた。
………が、まぁ当然鎖のせいで届かない。
ここ、ベッドにでさえ届かせないってやべぇな……異世界怖…
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Masatoサブ＠3(プロフ) - ｼﾝｼﾞﾝさん» ありがとうございます！亀更新＆また垢消えた泣ですが頑張ります！ (2023年1月6日 9時) (
レス) id: e70ef9156d (このIDを非表示/違反報告)
ｼﾝｼﾞﾝ - めっちゃ面白いです!!!!応援してます (2023年1月4日 20時) (レス) @page47 id: 46a033504b (このIDを非表示/違反報告)
優斗 - こあさん» ありがとうございます…うぉおぉぉおおやさっささっさっすぃいいぃぃい（深夜テンション (2022年12月18日 0時) (レス) id: e70ef9156d (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - ストーリー性が面白いから見てますね！ (ハート押しときます！) (2022年12月18日 0時) (レス) @page46 id: b820e4a724 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 君でしたねこれは失礼(( (2022年12月4日 17時) (レス) id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優斗_1128 | 作成日時：2022年9月24日 8時
