生まれ変わったらクズでした……４

天狗の面 ページ43

あれから三十分…

皆、大丈夫かな

隠
「すいません、お待たせしました
話は伺っております」

獪岳(A)
「いえ、こちらこそ
早速ですがこの方を近くにある
藤の家に運んでいただけますか
処置は既に済ませてあります」

隠
「承知しました」

獪岳(A)
「よろしくお願いします」

…よし

行ったか

獪岳(A)
「誰も怪我してないと
いいが…」

ねずこと一緒に行くかな

よいしょ…軽い

あれ？入ってる？

ねずこ箱の中に居る？

物凄く軽いんだけど

獪岳(A)
「ねずこ？」

ねずこ
「むー」

…居るな

…

…

ガラッ

誰もいない当たり前だけど…

獪岳(A)
「ねずこ、家の中にいるが
絶対に箱の中から出たりするな
分かったな」

ねずこ
「…むぅ」

不満そうな声が聞こえるけど

言うことは聞いてくれるだろう

獪岳(A)
「さて、この部屋から行くか」

ガラッ

男の子
「…………！！」

獪岳(A)
「…！？
血…怪我してるのか！」





男の子side

来た

まただ

俺を喰いに来たんだ

はやく

はやくはやくはやく！

鼓を叩かなきゃ

喰われる！

男の子
「…！？」

ガッ

獪岳(A)
「落ち着け、俺は敵じゃない
此処にいる鬼を倒しに来たんだ」

男の子
「…ぁ…ひと」

獪岳(A)
「そうだ、独りでよく頑張ったな
俺は獪岳だ
名前を教えてくれるか？」

男の子
「き、清です」

獪岳(A)
「清か、良い名前だな
さぁ、傷を見せてみろ
治療するから」

清
「うっ…うっ…」

人に会えた…

よかった本当に

本当に！

獪岳(A)
「大丈夫だ、大丈夫
少しずつでいい息を整えて」

清
「…うっ…ぅん！」

涙が止まらない

安心してしまうなんて

此処はまだあの鬼達がいるのに

助けなんて来ないと

思ってたからかな？

獪岳(A)
「傷口を水で洗う
滲みると思うが我慢してくれ」

清
「…はい」

獪岳(A)
「良い子だ」

…！格好いい

笑った顔が凄い良い

てる子がこの場に居たら

すぐにお嫁に行ってしまいそうだ

獪岳(A)
「…？」

よかった、てる子がこの場に

居なくて

例え男前の獪岳さんでも

てる子はこんなに早くお嫁に

行かせる気は毛頭ないからな！

獪岳(A)
「…清、大丈夫か？
治療は、もう終わったぞ」

清
「ぇ？あ、あぁ
ありがとうございます！
…！凄い痛みが引いてきた」

獪岳(A)
「だろう？
これは師範に伝授してもらった物
だからな
因みに師範は天狗の面を被ってる」

清
「天狗？ほんと？」

珍しき血→←般若みたいな顔

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