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『ジョングク様!お待ちください!お屋敷に戻りましょう!』


「嫌だ!お前も今戻ったら父上に罰を貰うんだからな!」


弾けるような笑顔で振り向き彼はどんどんと森を進んでいく。

体力の有り余っているジョングクに彼女が追いつき屋敷に連れ戻すことは不可能に近い。
しかし、大事な主人の息子である彼を一人になんて出来るはずもなく。
夜更に部屋を訪ねられ、屋敷を抜け出すと言ってきた彼を止める術は考えつかなかった。


一体どこに向かっているのか、暗い森の中は恐ろしく不気味だった。しかし、彼を一人にしてはいけないと使命感だけでついて行っていた。


その時、森を走り続けていた彼がふと止まった。


『はあっはあっ....』


『ジョングク様........やっと追いつきましたよ』


「こっちにきてみろよ」


彼に言われるままに木々を押し除け進むと開けた場所に辿り着いた。目の前には無数のきらきらと光り輝く星空が広がっていた。


『わぁ!きれい!!』


「綺麗だろ!僕が見つけたんだ!お前にも見せたくて」


『こんなに星がたくさん見えるなんて』


「誰にも言うなよ。僕とお前だけの秘密」


そう言うジョングクの小指をとり指切りをした。



私たちがまだ9歳だった頃の幼い約束。


ずっとずっと一緒に過ごして来たジョングク様との。

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作者名:Marika | 作成日時:2022年4月24日 23時

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