愛され4人のお姫様

仔羊。 ページ36

増田side






見つけた、今にも消えてしまいそうな仔羊






貴｢A｣






びくっと勢い良く俺を振り返るA






｢た、か…くん…ごめっ…なさっ…｣






貴｢あぁっ、泣かなくていいから、ね？ほらハンカチ、せっかくきれいにしてるのにメイク落ちちゃうよ？｣





そう言って触れないようAにハンカチを差し出す






｢ゆ、うや…傷付けちゃった、よね…｣







貴｢手越は大丈夫だよ、小山がなんとかしてくれる｣







肩を抱きたくても、それすら拒むんじゃないかと不安になる






貴｢ねぇ、A…触っていい？｣






｢えっ…｣






貴｢って、聞き方が悪いよな！ごめん。手…繋いでいい？｣






｢う、ん…｣






恐る恐る手を出してくれる彼女の手を両手で包むように手を繋ぐ






大丈夫だよ…そうあやすように手を撫でて






貴｢何があったかとかは聞かないから、ただ俺達はどうしたらAの事守れる？｣






｢守る…？｣






貴｢いつも、ひとりで闘ってる姿見てないわけ無いじゃん、もっと頼ってよ。男4人もいて姫1人守れないわけないじゃん、ちゃんと、助け求めてよ｣






｢たか…くん、ごめんなさい…怖かった…けーちゃんに助けてもらったの、昨日…ちゃんと自分の口から皆に話す、祐也にもごめんなさいするから、勇気をください｣







貴｢うん、勇気あげる…楽屋戻ろ？｣






｢うん…｣






小さい背中に色んなもの背負って歩いてて






その背中が憧れだった






年下なのに先輩






敵うわけない相手






最高のメンバー







そして、叶わない最愛の俺の好きな人






そりゃシゲばっか見てるからこの子は(笑)






シゲにはなれないから、俺なりの形で愛させて守らせてねお姫様。

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