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47話 緊急プラン ページ4

Aside

遠くから、カンカンという
金属を蹴る音がする。


──……人。誰?……組合か。


自己完結し、ゆっくり瞼を開けてその人物を見る。
──躰中に巻き付く木の根には目もくれず。



「やぁ、調子はどう?」

貴「最悪です」
夢野「痛い……痛い、痛い、痛いぃぃ。
躰が、ぼくの躰が……!」



ジクジクと何処かしら痛む。
恐らくは夢野君も私と同じように痛みを
感じているのだろうけど……彼のほうが痛んでいる?

何故痛みを感じるのか云々は置いておくとして
何故夢野君を傷つけるようなことをしているのか……。



貴「……そうか、成程ねえ……。
随分とえげつないことをするんですね、あなた達」

「タメ口でいいよ、どうせこれっきりの仲だしね。
ま、恨むならこの“緊急プラン”を考え付いた作戦参謀か
あのラヴクラフトの精神を破壊なんていう馬鹿を
しかけた君たち自身を恨みなよ」



ラヴクラフト……ああ、漸く繋がった。
H・P・ラヴクラフト著作の『旧支配者』。

そこに出てくる怪物が、彼があの時見せた姿だ。
そしてもし性質などもそのままなのだとしたら拙い。

本気で手に負えなくなる。
全く組合の長はどうやってあの化け物を……。



「……殺す……殺してやる……」本当に怒った顔の
夢野君は云い放つが目の前の彼はニッコリ笑って
足元の木の根を爪先で踏んだ。それにより夢野君は
痛そうにただ叫び声を上げる。


勿論こちらにも痛みはきたが声を上げる程でもない。
というか、躰の内側からくる痛みなんて慣れだ。



「……君はなかなかに手強いね」

貴「……お陰様で、今解放されたら
確実に満身創痍でしょうけどね……っ」



傷は見えないところにもあるものだ。
それは躰の内側も然り、心の痛みなども然りだ。


そういうわけでどう考えても今解放されても
満身創痍で動けそうにないし未だ助けが来るまでに
時間がありすぎる。


……彼がいない時夢野君の
木の根を減らせるだけ減らそう。

それしか、今できる街を守る方法が見つからない。


彼は緊急プランについて
事細やかに笑って教えてくれた。

これは彼の異能と夢野君の異能のコンビネーション。
今痛みを感じているのは、彼の異能力である葡萄の木の
根っこがヨコハマ全体の木と接合し、そしてその
木々に与えられる痛覚が集まる場所が夢野君や私の
痛覚神経、というわけだ。



「さて、ここで問題。
君が今異能力を発動したら地上はどうなると思う?」

48話 緊急プラン→←46話 砕け散りし海辺に



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赤梓 マーチ(プロフ) - みくろんさんさん» コメント、そして批評ありがとうございます。折角なので時間がある時にいろいろ見直して書き直して行こうと思います。今後とも頑張ります。 (2018年5月19日 2時) (レス) id: 6b5f2ab21e (このIDを非表示/違反報告)
みくろんさん - この小説、正直読みずらいです… 行替え、というか間隔開けすぎです。あと、状況表現の文章力が欠如しすぎです。 頑張ってください (2018年5月19日 1時) (レス) id: d5a7b772b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マーチ( *˙ω˙*) | 作成日時:2018年5月1日 23時

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