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よしよしというよりはグシャグシャといった感じで髪がどんどん乱れていく。
「お前みたいな弱っちいヤツひとりじゃ無理やろな。グルッペンにいって階段つくってもらうか、それか簡単に城ん中移動する方法もらえばええ」
会いたいなら俺が連れてったる。
手を引かれ体が前に傾く。足が浮き上がり、腹部にかかる圧力と天地が逆さまになる感覚。
私を肩に担ぎ上げたゾムさんはそのままスタスタと歩き始めた。
「軽いなーちゃんと飯喰ってんのか？」
「栄養管理されて着実に体重が増えてってるけど。ってちょっと待て、どこ行く気ですか」
「だからグルッペンのとこやろ？」
私には彼の背中と軽やかに廊下を蹴る足しか見えない。横を見ても似たような扉が等間隔に通り過ぎて行くだけでどこを歩いてるのかさっぱりだ。
しばらくしてガチャという金属音。床が絨毯からタイルに変わり、風が吹き始めたのを肌で感じれば室内から外に出たことを悟った。
「グルッペンは外に？」
「いや今は執務室で仕事しとる。さっき報告しに行ったからまだいるやろ」
「じゃあなぜ外に」
「そーれーはーでーすーねー？」
もったいぶった様子のゾムさんが急にジャンプした。手すりに着地したらしく地面がまた遠のき、衝撃と痛みでぐえっと潰れた声が出る。
「お前ずっと中にいたやろ？久しぶりに風を感じたいかなぁーって思って。だったら俺が感じさせたろやないかって。いやーほんま優しいなぁ俺」
なんだろうすごい嫌な予感がする。こんな体勢でなければ、澄んだ晴天と遠く山々を見渡し、太陽の温かさを感じることもできたのに。
ってかさっきこのバルコニーでそれやったばっかだわ。
「そのお心遣いは大変ありがたいけど、そろそろ頭がグラついてきたんで降ろしてもらえないかな？」
「降りたいん？」
「降りたい。地に足つけたい」
肩を震わす振動が伝わってくる。彼は私を降ろすことなく担ぎ上げた状態から器用に横抱きに抱え直した。
視野が一気に広がり、いま自分がいる場所がいかに高いか、また手すりに立つゾムさんの２つの腕で支えられている事実に不安が押し寄せる。
もし彼がいま手を離せば私は為すすべなく地面に真っ逆さまだ。
「たっか…！はやく降ろして、こわッ」
「すぐ降ろしたるわ。よーし、んじゃグルッペンのとこにぃージャーンプ！」
「へ、え、え、え、えええええ」
私の願い虚しく、ゾムさんは私を抱えたままバルコニーの向こう側に飛び降りた。
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あまぎ(プロフ) - しおりんさん» gﾙさんの瞳の色が青や赤に変わるのに疑問を持ったセリフです！久しぶりに読み返しましたが描写の印象が薄くて分かりにくいですね…せめて分かりやすいセリフに変更しとこうと思います。また何か疑問があればコメントくださる嬉しいです！ありがとうございましたー！ (2020年9月9日 3時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - １１の『あ、れ？瞳の色が、』ってどういう意味ですか？ (2020年9月9日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - う、うわあああ、、、、！！！ そ、そんなに言ってい頂けるなんて、、、、！！！これからもあまぎさんの書かれるお話を楽しみにしております。 (2019年12月11日 10時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ろんさん» 拝見した瞬間「え、うま…」とリアルで言いました。可愛っ！素朴で芯が通ってる雰囲気に清廉された可愛らしさがあり大変ﾖﾛｼｵｽ!!!!!!!いいもの見せて頂きました。夢主ちゃんにはこれからも魔王軍に苦労して頂きます…頑張ろうな。イラストありがとうございました！ (2019年12月11日 7時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - こんな感じで描いてみました。http://uranai.nosv.org/img/user/data/5/cye/5cee1e2d27d68efd0990e96722f9c62a.png (2019年12月10日 15時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ x他1人 | 作成日時：2019年11月3日 20時
