番外編 二−四 ページ41
ノッビアside
そこからは、Aの独壇場。正に、地獄だった。
ある男は引き裂かれ、ある男は舌を抜かれ、ある男は針山で串刺しになった。
リーダー格の男はそれを見ていた。
ただ、呆然と。彼らに仲間という意識があるのであれば、仲間と呼ぼう。仲間が殺されていくのをただただ突っ立ったまま、何も出来ず見ていた。
時々その男の口から出る息のようなか細い声は「ぁ…ぁ…」と恐怖しか感じ取れない。
僕は、目を瞑っていた。
隣で、笑顔で、人を殺す彼女が恐ろしく思えた。
「ははっ！あはは！君はァ〜血の池！」
閻魔大王の代わりなのだろうか。
Aは次々と判決を下していく。いつの間にやら、悲鳴しか聞こえず、Aは眺めていたという。
「さァ、最後は君だよ？」
そんな声が聞こえた。
目を開けると、顔が恐怖に染まっている男は、自分の目の前にいるたった一人の美しき少女から目が離せない。
彼女は笑顔だった。
残酷なまでに、綺麗で美しい笑顔だった。
人を殺すのを厭わない、そんな本能を持っていたことを僕は知っていた。家族すらも、葬ってしまう彼女を唯一止められるのは、僕だけ。
「君の罪はァ〜」
「ノッビアを売ろうしたことっ！」
言っていることと表情が合っていない。
これもある意味僕のせいだろう。僕が守りきれなかったから。僕が力不足だったから。
「罰はねェ〜」
Aがそう言いかけた時、僕は怒鳴った。
「A！！」
反射的に声が出ていた。
「君が、罪を重ねる必要は無いよ。さァ、幻覚を解くんだ」
Aの表情は戻り、力を使いすぎたのか膝から崩れ落ちた。
男は立ち尽くしていた。
((罪の意識と咎め。僕にとって成長でもあり、自分への怒りの象徴でもあった＿＿＿＿))
終わり
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MAKOTO@低浮上(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！そう言っていたただきありがとうございます！頑張ります！ (2017年3月8日 0時) (
レス) id: b20568eb49 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - とってもいい話でした。理由シリーズの雲雀の方も読みました！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
MAKOTO@低浮上(プロフ) - ﾍﾟﾝﾈｸﾞﾗﾀﾝさん» 正直、男でも女でも書けたのですが、男だと書きやすいので、男にさせていただきました。面白いと言っていただき、ありがとうございます！ (2016年10月16日 21時) (レス) id: 72d8bdffe2 (このIDを非表示/違反報告)
ﾍﾟﾝﾈｸﾞﾗﾀﾝ(プロフ) - 面白かったです。
マーモンって性別どっちなのか明言されていないので女の子? とか思ってましたが、男の子……いいですね! (2016年10月16日 20時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
MAKOTO@骨折♪←(プロフ) - レイナさん» ありがとうございます〜 (2016年6月23日 17時) (レス) id: b20568eb49 (このIDを非表示/違反報告)
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