悪役少女は捻れた世界で何を想う【twst】 (ページ11)

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０章＿第１０話：朝ページ11

翌朝＿＿

故郷にいた頃では考えられないほどに規則正しい時間に起きてしまった。
かと言って二度寝するような時間でもないので私は制服に着替えてウィッグを被り登校の準備をする。

「よし…準備完了！」

早めに下に降りて朝食でもとろう。
どんなメニューなんだろう。楽しみだな。
そんな事を考えながらわくわく気分で私が扉を開けるとそこには半分寝ているであろうシルバーが佇んでいた。

「……シルバー？」

「…A様、おはようございます」

「眠いならベッドで寝てていいんだよ…」

「いえ、もう大丈夫です。A様、そろそろ朝食に致しますか」

「う、うん……」

「ではこちらへ」

シルバーって本当によく寝るよなぁ…。
昨日も思ったけど、移動する為の護衛なんていらない気がする。
…私なんて、別に死んだところで…

「……A様、どうかなさいましたか」

「いや…」

シルバー相手に「別に死んでもいいし守らなくていいよ」なんて言えるわけがない。

「えっと……そ、そうだ。学校ではシルバーの事もシルバー先輩って呼んだ方がいいのかなって思って…」

「…！？いつも通り、シルバーとお呼びください。A様に敬称をつけて呼ばせるなど俺にはできません…」

「そう…？」

でも今更シルバーを先輩と呼ぶのに少し違和感があるのは事実だ。

…というかシルバー、さっきから凄くふらふらしてるな。やっぱり明日からは部屋に来なくていいと伝えた方が良さそうだ。人間の体は脆いとリリアが言っていたし…。
あぁ、こんな調子で大丈夫だろうか…。

「A様！！おはようございます！！！」

「っ……セベク？おはよう…」

「…セベク、声が大きいぞ」

起きたばかりなのにいきなりセベクの大声を聞かされるのは少しキツい。
まぁボソボソと小さい声で話されるよりはマシかもしれないけど…。それでもボリュームが…。

「シルバー、貴様、A様を連れて何処へ行く気だ！」

「あぁ、A様が朝食をと…」

「朝食でしたらこのセベクが直ちにご用意致します！！」

「あ……わ、私朝から用事があるんだった。申し訳ないけど先に学校の方に行くね！」

「A様！？！お供も付けずに登校なさるのは危険です！！A様！？！」

セベクやシルバーには申し訳ないけど、これ以上あの空間にいると朝から精神的に疲れて学校どころじゃなくなる気がする。
ご飯を食べれなかったのは悔しいけど、午前中はなんとか耐えよう…。