少女は知っている

小塚調査員 ページ25

「全員揃ったな。」

若武が、みんなをぐるりと見回してそう言った。

「まず、黒木、アーヤペアの調査報告を聞こう。」

私は、黒木くんを見た。
だって、2件しか、証言は聞けていないんだもの。

それで、証言にしてもいいのだろうか。

黒木くんは、私をチラリと見て、それからすぐに、私たちが小母さんに聞いたことを話し始めた。

「そうか。分かった。

次、上杉。」

上杉くんは、足を組んで、近くの家の塀にもたれた。

「黒木と同じ証言を3件とももらった。」

へぇ！
やっぱり、ヘリーは止まったんだ。

「ちなみに俺と小塚も同じ証言を2件もらった。

ここにヘリーが着陸したと、断定していいな？」

もちろん。

みんなも、うなずく。

「次は、地域の特定。
小塚、あの燃料池から、何か分かんねぇか？」

小塚くんは、待ってましたというように、目をキラキラとさせた。

「あの燃料はハイオクからでる水。

水と言っても、純粋なものじゃないんだ。
燃料の種類を特定する事は難しくないよ。

つまり、高級ヘリだという事が分かるんだ。
けれどまだ、原産地は分からない。
あの水、分析に持ち帰ってもいいかな。」

若武がうなずいて、小塚くんを見た。

小塚くんは、スポイトを出して、水を少し、スポンジのようなものに含ませると、それをビニール袋に入れて、ナップザックに入れた。

「それと、ここでだとアレなんだけど、昨日の試験管の中身が分かったんだ。」

えっ！

もう分かったんだ。

「試験管の中身は、水素だった。」

水素？
水素ってH2の水素だよね？

けど、なんで？

「で、もう一つが酸素だ。」

はぁ……。

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