迷感 ページ21
「これは、どうすればいいんだろう。」
小塚くんは、苦しそうに眉をよせる。
そんな小塚くんの肩を、上杉くんが抱き寄せる。
「警察に届けるべきだと、俺は思うけど、何しろ、事件性が無いもんは扱わねぇもんな。
しかも、失踪届なんて、親族しかだせね……。」
上杉くんは、そこで言葉を切った。
私も、思わず息を飲んだ。
どうしたんだろうって。
「そうか……!」
「そういうてがあったよな。」
上杉くんと、翼が、2人で微笑み合ってる!
「なんなの。」
訳がわからなくて、つい、キツイ声で聞いてしまった。
「アーヤ。
黒木は、築宮の親族だろ。
僕たちが出せなくても、黒木なら、失踪届を出す事だできるんだ。」
小塚くんは、そんな私を気にせずに、いつも通り穏やかな口調で話してくれた。
そうか。
黒木くんは、遠いけど親戚だもんね。
きっと、黒木くんなら、出来る!
けれど、そんな私たちとは裏腹に、若武が私たちの中央にたった。
「君たち。俺たちは警察に何度も接触している。
それなのにまだ分からんのか。
警察はな、立派に事件性が無ければ、しっかりとは動いてくれない。」
それは、確かにそうだった。
前接触したときも、あまりいい印象じゃなかったもの。
「つまり、築宮が失踪したからといって、黒木が届出たとしても、その後、捜索が、きっちり行われる保証は無いんだ。
それなら一層、KZの力にかけてみないか。」
究極の選択だった。
「俺、KZにかけたい。
警察になんて、任せられるかよ。」
そう言ったのは翼だった。
やっぱり、誰よりも熱く燃える、白い炎なんだよね。
それに、賛同するように、黒木くん、上杉くんが手を挙げた。
これで、若武の意見は4票。
従うしかなかった。
「仕方ないね。
KZを信じるよ。」
小塚くんの言葉に、私と砂原は、無言でうなずいた。
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瑠璃菊bookworm(プロフ) - 桜子ちゃんカッコいい!私はお父さんの頭をポカってすることぐらいしか出来ないのに… (2018年2月23日 23時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 桜子ちゃんこわいよオおおおおおお (2016年4月22日 17時) (レス) id: d885b7a670 (このIDを非表示/違反報告)
えりん(プロフ) - ルカさん» そんなコメントをいただけるとは……泣きそうなほど嬉しいです(;_;)私も桜子ちゃん好きなんです笑共感していただいてありがとうございます!頑張ります! (2015年12月27日 22時) (レス) id: 02bf578d58 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - すごく面白かったです!桜子ちゃんのキャラが可愛い!えりんさんの作品大好きです!これからも他の作品頑張ってください!応援してます! (2015年12月27日 22時) (レス) id: e3b5485af0 (このIDを非表示/違反報告)
えりん(プロフ) - fumiさん» ありがとうございます!築宮の感想を聞けて嬉しいです。ありがとうございました! (2015年8月21日 6時) (レス) id: 02bf578d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりん | 作成日時:2015年8月14日 17時