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「まぁいい。どの道その程度では、
あぁ、バレバレだったかぁ…。恵がフラつきながら立ち上がる。私も静かに立ち上がった。
「つまらんことに命を懸けたな。この小僧にそれ程の価値はないというのに」
そんなことはない。価値がないと言うなら、私だってないから。不意に、隣に立った恵から途轍もない呪力を感じる。何だ…コレ…?
宿儺もそれを悟ったのか、面白そうに言葉を発した。
「いい、いいぞ。命を燃やすのはこれからだったわけだ。魅せてみろ!!伏黒恵!!薄場A!!」
呪具はもうない。だから拳を握りしめた時だった。雨の降りしきる中、恵が静かに口を開く。
「…俺は、オマエを助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。危険だとしても、オマエの様な善人が死ぬのを見たくなかった。それなりに迷いはしたが、結局は我儘な感情論。
でも、それでいいんだ。俺は
だからオマエを助けたことを、1度だって後悔したことはない」
「…そっか」
恵の声を聞きながら、私はそっと拳をおろした。体の線が消えていきながら、ポタポタと流れ落ちる血を見つめる。
「伏黒は頭がいいからな。俺より色々考えてんだろ。オマエの真実は正しいと思う。でも俺が間違ってるとも思わん」
頭を掻きながら、何ともないような顔で言う悠仁を黙って見つめていた。「あー悪い。そろそろだわ」と平然とした顔で言う悠仁に、グッと唇を噛みしめる。
「Aゴメンな。今まで俺に付き合わせて振り回して」
『そんな、こと…ない、よ』
私ちゃんと笑えてるかな。泣きそうじゃないかな。顔が引き攣ってるような気がする。でも、悠仁には笑顔を向けないと。
「伏黒も、釘崎も、Aも、五条先生…は心配いらねぇか。
___長生きしろよ」
ドサッと倒れ込む音がした。泣いちゃ駄目だ、悠仁が悲しむ。でも体は正直で、目から絶え間なく涙が溢れてきて。
『………っ、……ううっ……ゆぅ、じ………ぅあ…』
膝から崩れ落ちると、まだ少し生温かい従弟の体をそっと抱きしめて泣き叫んだ。
続編
-4-え……私の従弟生きてたんですか…?【呪術廻戦】
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おもち食べたい(プロフ) - 怒らないで委員会会長mAKAさん» ありがとうございます!何でアンリシャルパンティエが出てきたんでしょうね…。たぶん夢主ちゃんがケーキ食べる気分だったからじゃないですかね…??…あれ本当に何でだろう(作者) (2022年3月1日 18時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - このシリーズ滅茶苦茶好きです!突然のアンリシャルパンティエに「何故ケーキ屋……?(困惑)」と声に出してしまったくらいにはのめり込んで読んでます(感想が謎)更新無理のない程度に頑張ってください!応援しています!! (2022年2月28日 23時) (レス) @page36 id: 6506a00938 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - のどかさん» ありがとうございます!野薔薇ちゃんやっと出せました…!可愛いと言って頂けて嬉しいです! (2022年2月26日 23時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
のどか - やった!野薔薇ちゃん出て来ましたね!かっわい〜…!一年ズの可愛さがカンストしてるよこれ…!虎杖君は言わずもがなだし、伏黒君は最近デレが増えてる気がするしでもぉ〜〜!いつも面白いお話をありがとうございます!これからも頑張ってください!! (2022年2月26日 21時) (レス) id: fa90cdb483 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - souさん» ありがとうございます!そのように言って頂けて本当に嬉しいです…!! (2022年2月24日 18時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち食べたい | 作成日時:2022年2月14日 18時