−3−え……私の従弟宿儺の器なんですか…？【呪術廻戦】

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術式で気配を消すと、軽くその場でジャンプした。呪具を握って少し空を切るように振ってみる。…うん、久しぶりすぎて多少違和感はあるけど大丈夫、動けそうだ。



まだ悠仁が宿儺と話しているのが聞こえてくる。交渉でもしてんのかな。上手くいくとは思えないけど。だって相手は宿儺だし。



静かにその場で呪具を構えると、余裕そうに笑っている呪霊の元に向かって走り出した。その勢いのまま腕を斬り落とすと、突然斬られた腕に呪霊が驚いているのが見える。



ふはは、余裕ぶっこいてるからそんな無様な真似することになるんだぞ！！心の中でケラケラと高笑いした途端、お腹に入った衝撃。どうやら、斬られた腕に驚いて適当に蹴り飛ばした先に偶然私がいたらしい。なんだその偶然。運悪すぎんだろ。そして余裕ぶっこいてた無様な馬鹿は私だった。すみませんでした。




「A！？」

『いやなんか油断して調子乗った瞬間蹴り食らわされた』

「特級相手に油断するとか何してんすか……」




そうだな、私も何してんだって自分にツッコミたいわ。馬鹿野郎。仮にも相手は特級だったのをすっかり失念していました。



不意に、背筋に寒気が走る。咄嗟に横に飛び退くと、私がさっきまでいた地面が抉り取られていて。待って待って第六感なかったら私死んでたのでは？？っていうかコレ、呪術じゃなくてただ呪力を飛ばしただけ……だよな？流石は特級、レベルが違う…。



特級の桁違いの強さに圧倒されていると、「A！！伏黒！！」と名前を呼ばれた。




『何！？』

「釘崎連れて領域(ココ)から逃げろ！！3人が領域(ココ)を出るまで、俺が特級(コイツ)を食い止める。出たらなんでもいいから合図してくれ。そしたら俺は宿儺に代わる」

「できるわけねぇだろ！！」

『相手は特級だぞ！？』

「よく見ろって。楽しんでる。完全にナメてんだよ俺達のこと。まあAのことは若干警戒してるように見えるけど…。とにかく時間稼ぎくらいなんとかなる」




呪霊が私達をナメているのは分かってる。そうじゃなかったら、私はさっき腕を落とせなかっただろうし、蹴りの威力だってもっと上だったと思うから。

でもっ、それでも……！！




『それなら私も…』

「そうなると宿儺に殺されるだろ！なあA、頼む」




…あぁ、そんな顔されたら断れないじゃんか。私がその顔に弱いって知ってるくせに。

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