−3−え……私の従弟宿儺の器なんですか…？【呪術廻戦】

呪胎戴天 ページ37

「我々の"窓"が呪胎を確認したのが3時間程前。避難誘導9割の時点で、現場の判断により施設を封鎖。「受刑在院者第二宿舎」。5名の在院者が現在もそこに呪胎と共に取り残されており、呪胎が変態を遂げるタイプの場合、特級に相当する呪霊に成ると予想されます」




そう説明するのは、今までもしょっちゅうお世話になった伊地知さんだ。ちなみに以前渡した胃薬の行方を聞くと、ありがたく使わせてもらっているとのことで。使ってもらえて良かったのか、そんなに使うほど忙しいということだろうから悪かったのか……。ま、まぁ胃薬が無駄にならなかったし良しとしよう。



それにしても特級って…！思わず顔を強張らせると、「なぁなぁ。俺、特級とかまだイマイチ分かってねぇんだけど」と悠仁が緊張感の無い声を出した。いやお前……うんまぁそうだよな、最近この世界に来たばっかだもんな。



伊地知さんが、バカにも分かるようにと説明してくれる。それを聞いた悠仁はようやくその重大さに気づいたのか、「ヤッベェじゃん」と冷や汗をかいていた。




「本来、呪霊と同等級の術師が任務に当たるんだ」

『今日の場合なら五条先生とかね』

「で、その五条先生は？」

「出張中。そもそも高専でプラプラしてていい人材じゃないんだよ」




お土産は期待するなと言って出て行った先生の顔が脳裏に浮かんだ。仙台ん時も喜久福全部食べきってお土産にしなかったしね。そういうとこだぞ先生。




「この業界は人手不足が常。手に余る任務を請け負うことは多々あります。ただ今回は、緊急事態で異常事態です。


"絶対に戦わないこと"。


特級と会敵した時の選択肢は"逃げる"か"死ぬ"かです。自分の恐怖には素直に従ってください。君達の任務は、あくまで生存者の確認と救出であることを忘れずに」

『…………………………』




百鬼夜行の時だって、もし憂太が来なかったら私は死んでいたかもしれない。宿儺の時も、悠仁が器じゃなかったり先生が来なかったら殺されていたかもしれない。今まで特級と会敵した時は運良く強い人が周りに居ただけで、私だけなら確実に死んでいただろう。



私はまだ生きたい。この任務は生存者の確認と救出だけなんだから、戦うだなんて以ての外……………あれ、




『この任務って私もなんですか？1年ズだけじゃなくて？』

「……………薄場さんは、五条さんから念の為保険として着いていくように伝言がありまして」

『嘘だろ先生』

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