−3−え……私の従弟宿儺の器なんですか…？【呪術廻戦】

✿ ページ29

「それで重大発表って？」と聞いてきた憂太に、それを聞いた時の驚いた顔を想像してニヤリと笑う。よくぞ聞いてくれました。




『なんとですねー』

「うん」

『この度、高専に帰ってきましたー！』

「……………え？？？」




「えっ、う、嘘ぉ！？」と動揺して驚きの声を漏らす憂太にクスクスと笑って本当だと告げる。流石憂太、全く期待を裏切らなかった。




「ぇ、な、何で……？まだ再会してないよね…？」

『あのな憂太さん、世の中の人間は皆事情と理由があって生きてるんだよ』

「そっか………ってそれっぽいこと言って誤魔化そうとしてるのは分かってるよAちゃん」

『おっとバレてたか』




これ結構上手く誤魔化せるかと思ったんだけどな。やっぱ憂太には効かなかったか。軽くため息を吐きつつ悠仁のことをかいつまんで説明すると、「あぁ……」と納得したような声が聞こえたので多分理解してくれてるはず、きっと。




「Aちゃんって意外と巻き込まれ体質だよね」

『元凶1に言われたくないかな』

「その節はご迷惑おかけしました…」




私が巻き込まれ体質と言うよりは、周りの人が巻き込み体質なんじゃないかこれは。



その後も前の学校の友達の三角関係に巻き込まれて修羅場に遭遇直前だっただの、罰ゲーム告白を友達(女子)にされて新たな扉を開きかけただの話していると、急にミシィと音が聞こえた。あのすみません憂太さん、あなたのスマホが悲鳴をあげていらっしゃるので少々手の力を緩めて頂いてもよろしいでしょうか…？(震え声)




『あ、安心しろよな憂太！好きな人がいるってちゃんと振ったから百合ルートには突入してないって』

「それで振ってなかったらどうしてやろうかと思ったよ」




誰を？とは聞かないでおくことにした。世の中知らない方が幸せなことも多いんだよ。



だんだん眠くなってきたためか、『ふぁ……』と小さく欠伸する。最近は任務もなくて比較的早寝だったからなぁ…。その欠伸を聞き逃さなかったのか、「もう終わろっか」と憂太が言った。さり気ない気遣い。これがモテる男がやる言動か…！




「正直終わりたくないしずっと通話状態でもいいんだけど」

『嫌だよめんどくさい。電池切れるわ』




そのまま無慈悲に切ろうとすると、切れる直前に「好きだよ」と声がした。………へぁっ！？おまっなんつータイミングで言ってくれんだ眠気一瞬で吹き飛んだんだけど！！









(その日の夜はなかなか寝つけなかった)

鉄骨娘→←✿

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す