−3−え……私の従弟宿儺の器なんですか…？【呪術廻戦】

✿ ページ23

「やっぱコイツ有名なの？」と手の甲に現れた宿儺の口を叩きつつ悠仁が聞く。




「両面宿儺は、腕が4本、顔が2つある仮想の鬼神。だがそいつは実在した人間だよ。千年以上前の話だけどね。

呪術全盛の時代、術師が総力をあげて彼に挑み敗れた。宿儺の名を冠し、死後呪物として時代を渡る死蝋さえ僕らは消し去ることができなかった。


紛うことなき、呪いの王だ」




こういう話を聞くと、やっぱ宿儺って強いんだなぁと改めて実感する。うーん、私なんて瞬殺だろうな。

その話を聞いた悠仁が、「先生とどっちが強い？」と質問した。私に聞かないのは、秒殺されるのが目に見えてるからかな。…なんかそれはそれで腹立つな。




「うーん、そうだね。力を全て取り戻した宿儺ならちょっとしんどいかな」

『負けちゃう？』

「勝つさ」




自信満々に言い切った先生が扉を開け、中に入る。その中で待っていたのは。




「遅いぞ悟。8分遅刻だ。責める程でもない遅刻をする癖、直せと言ったハズだぞ」




相変わらず呪骸作りに勤しんでいる学長がいた。あれ、また呪骸の種類増えてない？そういやパンダの毛を全身抜いてやるって言ってたのにすっかり忘れてた。今度やってやろ(駄目です)




「責める程じゃないなら責めないでくださいよ。どーせ人形作ってんだからいいでしょ8分位」

『うわっ先生開き直りやがったぞ』

「うるさいA」

「ああ、A久しぶりだな」

『どーもお久しぶりです学長。その節は大変お世話になりました』




「………その子が？」とチラリと悠仁に目をやりながら聞いてきた学長。悠仁が「虎杖悠仁です！」と自己紹介する。ところで悠仁さんよ、好みのタイプを言う必要はなかったんじゃないかな？？つーか悠仁って東堂パイセンと好みのタイプ似てんな。…………………うん、考えなかったことにしよう。




「何しに来た」

「………面談」

「呪術高専にだ」

「呪術を習いに…？」

「その先の話だ。呪いを学び呪いを祓う術を身に付け、その先に何を求める」




あれ、この流れなんか聞き覚えあんぞ？確か私も少し前にこんなことした気が…。




「何っていうか、宿儺の指回収するんすよ。放っとくと危ないんで」

「何故？」




「事件・事故・病気。君の知らない人間が……」と始まった学長のありがた〜い話に、五条先生と一緒に壁際に寄る。悠仁が遺言だからと返答すると、学長は立ち上がって「不合格だ」と告げた。

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