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「そろそろかな」と先生が呟く。それとほぼ同時に体の線が消え、代わりに「おっ、大丈夫だった?」と悠仁が聞いてきた。いやお前何で体のっとられないんだよ。普通に考えて可笑しいだろ。もういいや、考えても無駄な気がする…。私は無言で思考を放棄した。
「驚いた。本当に制御できてるよ」
「でもちょっとうるせーんだよな。アイツの声がする」
『いや逆に何でそれだけで済んでんだよ。奇跡じゃん』
すると先生がトンッと悠仁の額に指を当てた。その瞬間、悠仁が脱力したように倒れ込む。先生が「重っ」と言いながら悠仁を支えた。
「何したんですか」
「気絶させたの。これで目覚めた時宿儺に体を奪われていなかったら、彼には器の可能性がある。
さてここでクエスチョン、彼をどうするべきかな」
「………仮に器だとしても、呪術規定にのっとれば虎杖は処刑対象です」
少し迷ったような瞳で恵が答える。やっぱりそうか、だって特級呪物を食べてるし…。自分の無力さに唇を噛みしめつつ下を向くと、でも、と続けた恵の言葉に思わず顔を上げた。
「でも死なせたくありません」
「私情?」
「私情です。なんとかしてください」
正直、恵がそんなことを言うとは思わなかった。思わぬところからの援護に少し目を見開いてしまう。先生は「クックック」と笑うと、グッと親指を立てた。
「かわいい生徒の頼みだ。任せなさい」
……ちなみに、これが今までで1番頼りになると思った瞬間だった。先生ってなんというか……普段はちゃらんぽらんで軽薄そうだけど意外と真面目(?)に先生してるよね…。
「で、Aは?」
『無駄に多い権力をフル活用して何が何でも死刑を回避させてください』
「即答じゃんウケる」
『私の従弟の危機を楽しむな』
私にとって悠仁はたった1人の従弟であり……………そして
「よし!じゃあAも高専に戻ってくるってことだね」
『待って????』
あれっ可笑しいな、今話してるのは悠仁をどうするかであって私が高専に戻るって話じゃなかったはずなんだが。え?私が辞めた理由は従弟が原因なんだから、その従弟が高専に来るならもうここにいる意味はない?あのさ先生、学校を自由に選ぶ権利が存在してること知ってる??
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おもち食べたい(プロフ) - 怒らないで委員会会長mAKAさん» ありがとうございます!何でアンリシャルパンティエが出てきたんでしょうね…。たぶん夢主ちゃんがケーキ食べる気分だったからじゃないですかね…??…あれ本当に何でだろう(作者) (2022年3月1日 18時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - このシリーズ滅茶苦茶好きです!突然のアンリシャルパンティエに「何故ケーキ屋……?(困惑)」と声に出してしまったくらいにはのめり込んで読んでます(感想が謎)更新無理のない程度に頑張ってください!応援しています!! (2022年2月28日 23時) (レス) @page36 id: 6506a00938 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - のどかさん» ありがとうございます!野薔薇ちゃんやっと出せました…!可愛いと言って頂けて嬉しいです! (2022年2月26日 23時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
のどか - やった!野薔薇ちゃん出て来ましたね!かっわい〜…!一年ズの可愛さがカンストしてるよこれ…!虎杖君は言わずもがなだし、伏黒君は最近デレが増えてる気がするしでもぉ〜〜!いつも面白いお話をありがとうございます!これからも頑張ってください!! (2022年2月26日 21時) (レス) id: fa90cdb483 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - souさん» ありがとうございます!そのように言って頂けて本当に嬉しいです…!! (2022年2月24日 18時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち食べたい | 作成日時:2022年2月14日 18時