負けず嫌いの君。【黄】

第11話 ページ33

「……これで良い…。」

ーーー


「では三者面談お願いしまーす。宮野のお母様がこっちに座ってもらって、」




「宮野なんですけど、成績も大変優秀でこれなら日本トップ大学でも無理なさそうですね。
大学希望は☆☆大学で全然良いと思います。

しかし希望職業の欄、、歌手・アイドル。……」


「えっ…？どういうことA。」



担任とお母さんからの冷たい視線が刺さる

別にどうだって良いじゃん。


『好きな歌手の人がいて、その人みたいに何か幸せを届けられる人間になりたくて。』


「まぁ、そうやって成功するのはほんの一握りですし、もうちょっと簡単な仕事でも良いんじゃないですかね。」



先生は書類をトントンと揃えて、流れ作業のように私たちを教室から出した。




「……アイドル…。諦めなさい。」

『何で？』


車の中で短いラリーが続く。


「先生も言ってたでしょ。一握りなのよ本当に。」

『そんなの分かんないじゃん。』


「どうしたの？A。」


それ以降は黙ったまま、静かな車の中で窓の外を眺めた。

ーーー



るぅと「A〜先生にさ、アイドルはダメだって
　 言われた〜」


『私も。お母さんにも無理だ。ダメだ。って』





るぅと「大変だよな〜学生って。

　


ミルクパン食べる？」


『うん。』

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