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ツンとした表情で教室を出たAは、数メートル歩いて…廊下でしゃがみ込んだ。
彼女の目からは大粒の涙が絶え間なく流れており、嗚咽を漏らしている。
友人と声を張り上げて喧嘩するのも、過激な悪口を言うのも、ましてや「嫌い」だなんて直接言うなんて、それら全てがAにとって初めてのことだった。
今までそんな親しい友人はいなかったし、それなりに親しい友人がいたとしても薄い壁のようなものがあったから。
もう言ってしまったことは取り消せないし、はっきり「嫌い」って言ってしまったし。取り返しのつかない事になってしまった。
そう頭を抱え、止まらない涙を拭くA。そして彼女は、もうすぐ控えた合同任務を思い出した。
『…止まってよ、涙』
ゴシゴシと目の当たりを擦って、強制的に涙を止めた。
今回の合同任務の相手は初めましての人なので遅れたら失礼に当たる。
できるだけ早く行こう、と考えていたAは校舎の外に向けて小走りになって廊下を走った。
『今日の人って誰だっけ、』
ササミ…ハサミ…じゃなくて、えっと…
『ナナミ、さんだっけ。…七海健人さん、そうだそうだ』
一級術師、七対三がどうたらこうたらの術式を使うらしい。
わかっているのはそれだけ。
怖い人じゃないといいなぁ、なんて思いながらAは少しだけ走る速度を上げたのだった。
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ioio(プロフ) - ハリー・ポッターもななみんも大好きなので楽しく読ませて頂きました。つらすぎる… (8月25日 13時) (レス) id: fd9c166f58 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - ボロ泣きした…しんどすぎる… (8月17日 21時) (レス) @page18 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 香月ちゃんの領域頭の中で想像してみたのですが、スゴい綺麗でした!!亡くなったあとも指導(?)してくれる七海さんも、とてもカッコよかったです!! (2022年1月6日 18時) (レス) @page18 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます!!体調の心配まで…嬉しいです!! (2021年3月22日 23時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます!この作品、大好きです!!更新、頑張ってください!お体に気をつけてくださいね。 (2021年3月21日 22時) (レス) id: 4b65aa76c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なんなん | 作成日時:2021年3月21日 18時