第一声はあの人に ページ43
.
所変わって日本。
いつものように起床し、朝食を食べ、任務へと赴いていた七海の携帯が、着信を知らせて震えた。
映し出されているディスプレイには「香月さん」の文字。
七海は今頃彼女は現代には似合わないようなパーティーに参加している頃か、と考えを回らせて電話にでた。
「もしもし」
『ななみんさ〜ん!聞いてください聞いてください!!』
「?香月ですか?」
一緒に任務に赴いていた猪野もその騒がしい声を聞いて自分の方へと寄ってくる。
スピーカーにして、彼は「なんですか」と答えた。
『あの、ちょっと色々言いたいことがあって!』
「お前声でかいわ」
『ああ、ごめんなさ…OK、静かにするわ』
流暢に流れてくる英語。事情を知らない猪野が首を傾げ、七海が彼に「香月はイギリスにいる」と伝えた。
『あのね、今私病院にいるんですけど…』
「え、ちょっと待ってください…病院!?」
『はい、病院。たまたま呪霊が来ちゃって。あ、帳降ろせたんです!!』
病院にいる理由を聞きたい所だが、七海は素直に帳を降ろせたことをまず褒めた。
『でね、あの私、必殺技出来たんです!!なんか無意識に!黒閃出たし!』
「え、すご!それすご!」
『でしょでしょ〜。それでね、ななみんさんに一番に言いたくて。色々お話ししてたじゃないですか』
「ああ、この間の任務」
『そう!いやもう嬉しくて嬉しくて。ありがとうございます、色々』
…確か自分は特に何もしたわけではないが、と言ったらAは心底嬉しそうな声で答える。
『ななみんさんが一人で任せてくれたからですよ、だから色々できたんです。ありがとうございます』
「いいなぁ、俺も必殺技欲しいな」
『ですよね〜、やっぱかっこい…え?点滴?待ってヤダヤダ無理!!あ、ちょまっ…』
唐突にプツッときれる通話。
相変わらず破天荒な彼女に、七海は小さく笑みを漏らした。
なぜか自分を慕ってくれる後輩が二人。そのうちの一人に向き合い、声をかける。
「猪野くん、さっさと祓って帰りましょう」
「ですね!香月の話聞いてたらなんかやる気が出てきました」
「いつも出してください」
青空を見て、七海はこう考える。
いつか思っていた「きっと彼女は強くなる」という予想は、きっと将来的中する__と。
.
920人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なんなん(プロフ) - そち。さん» えええ、まさかまさかロビさんに会えると思いませんでした…!閲覧ありがとうございます!! (2021年3月5日 17時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
そち。 - え私もレドベルちゃん大好きです!!! (2021年3月4日 22時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - 兎紀さん» 私もななみんと夢主の絡み結構好きです!!笑読んでくださりありがとうございます~~! (2021年3月1日 16時) (レス) id: 10e9d245a5 (このIDを非表示/違反報告)
兎紀 - ナナミンと夢主ちゃんの絡み可愛くて好きなのでこれからも出してもらえたら嬉しいです!!更新頑張ってください!(^^) (2021年3月1日 5時) (レス) id: 6d9d4e9d65 (このIDを非表示/違反報告)
花璋(プロフ) - なんなんさん» いえいえ!毎日更新お疲れ様です!最新話の帳の詠唱、出すタイミングカッコイイです(b・ω・)b (2021年2月26日 21時) (レス) id: 7ebade7fdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なんなん | 作成日時:2021年2月14日 13時