． ページ5
．
『なんで！何も知らないあんたにそんなこと言われなきゃいけないの！』
耳を塞ぎたくなるような叫び声の後、西宮の目に映ったAの表情はさっきまでとは別人のようだった。
怒りで目を地走らせて、それでいて涙を流していて。
『一人じゃ何にもできないなんてことぐらいわかってるよ…！！！！』
それでもやらなきゃいけないんだ、とAが言って。
それに西宮は「そっか」と答えただけだった。
ちょうどAが涙をぬぐい終わって、息を整えたタイミングを見計らったかのように西宮は彼女と目を合わせる。
西宮の箒がぶつかってこようとして、Aはそれに魔法で対抗する。
彼女の目元はもう濡れてはいなくて、代わりに目に光が宿っていた。
＿＿＿
あれから何分経っただろうか。
西宮の箒は折れていて、代わりにAは腕が折れていて。
最終的には、Aが地面に座り込む西宮の首元に杖を突きつけていた。
「Aちゃんボロボロすぎない？？」
『…先輩のせいですよ、容赦なく箒ぶつけてくるじゃん』
「…Aちゃんだって呪文ぶつけてくるし箒燃やすし折るし」
『それは申し訳ないです…私の勝ちですよね？』
あくまでも「勝ち」にこだわるAに、西宮は笑って答える。「それでもいいよ」と。
『…ごめんなさい、色々と失礼したりやりすぎちゃったり』
「ううん、私こそ。煽っちゃってごめんね」
『正直言って許せないですけど…』
「許せないんだ」
『はい。…でももういいです、西宮先輩なので』
一戦いを終えた少女たちの間には、ほんとに戦闘中か？と言わんばかりのふわふわしたオーラが流れていた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 920人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なんなん(プロフ) - そち。さん» えええ、まさかまさかロビさんに会えると思いませんでした…！閲覧ありがとうございます！！ (2021年3月5日 17時) (
レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
そち。 - え私もレドベルちゃん大好きです！！！ (2021年3月4日 22時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - 兎紀さん» 私もななみんと夢主の絡み結構好きです！！笑読んでくださりありがとうございます~~！ (2021年3月1日 16時) (レス) id: 10e9d245a5 (このIDを非表示/違反報告)
兎紀 - ナナミンと夢主ちゃんの絡み可愛くて好きなのでこれからも出してもらえたら嬉しいです！！更新頑張ってください！(^^) (2021年3月1日 5時) (レス) id: 6d9d4e9d65 (このIDを非表示/違反報告)
花璋(プロフ) - なんなんさん» いえいえ！毎日更新お疲れ様です！最新話の帳の詠唱、出すタイミングカッコイイです(b･ω･)b (2021年2月26日 21時) (レス) id: 7ebade7fdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なんなん | 作成日時：2021年2月14日 13時
