脱蛙化現象契約3【岩田剛典】

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岩田｢ライブ来ることなんで言ってくれなかったの｣



















いつもなら距離があるベット内も

今日ばかりはゼロ距離の密着で




どんな答えがかえってくるのか

恐る恐る聞いてみた



















『深い意味はないよ』


岩田｢でも知りたい｣


















そう言って屈しない俺に

少し沈黙したあと、口が開かれる



















『ただのファンでいたかったの

ずっと昔から好きだった三代目のファンで』



















外でご飯を食べたいとか

どこかに出かけたいとか



普通の女の子がするようなお願いを

Aの口から聞いたことは一度もない




むしろその徹底っぷりに俺の方が驚くくらいだ



















岩田｢(いいやつなんだよな)｣


















ファンの心理が分かるからこそ

少しでも隙を見せないよう気を張って





まぁ俺的には

もう少し彼女としてあぐらかいてもいいんじゃね？


と、思う所もあるが




今はAの優しさを受け入れとこう



















岩田｢にしても悔しいなぁ。全然分かんなかった｣


『私はちゃんと見てたよ』


岩田｢臣さんだけじゃなくて？｣


『んー？半々』



















それが本当なのかからかってるのか

俺にはまだAを見抜く力はなくて


















岩田｢(ホント飽きねぇやつ)｣

















いつだって火をつけるのは

Aの些細な言動ばかり



分かっていても踊らされちまう



















岩田｢俺だけしか見れなくなる日が来んのかねぇ｣


















少しの悔しさから皮肉気味に放った言葉に


返ってきたのは噛み殺すような笑い声





余裕ありげなその姿にムッとすれば


｢ごめんごめん｣

なんて、言いながらも相変わらず笑ってやがるし







やっぱ俺だけが夢中なんだなー。



と、またまたいじけていれば



ふとその笑い声がやんで


こちらに視線が向けられていることに気づく

















『今は剛典君しか見えてないよ』

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