脱蛙化現象契約3【岩田剛典】

126 椎名sideー挨拶編ー ページ30

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桜｢え！行くこと言ってないの！？｣


















夕方頃駅チカのカフェにて



桜の大声の質問に対し

ストローを口に含みながら縦に頷く



















桜｢なんで？！｣


『そこまで逐一行動を報告しあわないよ』


桜｢いや、これはちょっと意味が違うでしょ｣



















そう言って向けられた視線は

椅子に置かれたタオルとフラッグへ


















「もうまじで無理。アリーナ。死ぬ」


「隆二と目あったらどうしよう･･･！」



















カフェ内から聞こえる会話で

まぁ、もうご察しの通り





本日は三代目のライブの日です

ちなみにファイナル


















桜｢ほんとあんたの彼氏が不憫に思えるわ｣


『それね』


桜｢自分で言うな｣


『んね』


桜｢･･･はぁ｣


















心友のため息なんて気にもとめず

再度飲み込むアップルティー




いつもより減りの早いそれが

唯一彼女の平然が乱れてる証拠だった


















『(今頃リハ終わりかな)』



















いつもとは違った気持ちで参戦するライブ



バレてはいけないという思いが

ひたすら心中を渦巻いていて



自分自身追いつけていないのだ



















『(ただファンだった頃の気持ちで･･･)』



















出来るだろうか、私に



数ヶ月前までは遠い存在だった彼らも

気づけばこの端末に2人分連絡先が入るまでになった




電話もLINEも普通にしてしまう






ファンの中でメンバーと距離が近いのは

間違いなく私だと



そう自惚れるほど天狗になってると言うのに



















桜｢A｣


『ん？』


桜｢あんたはいい子だよ｣


『え、なに急に(笑)』



















突然の言葉に笑顔を見せようとしたけど

自分の顔がひきつってることに気づく




そんな私に桜は眉を下げて笑って



















桜｢深く考えずに楽しめばいい


今日の私達はファンとして来てるんだから



そんな浮かない顔されちゃったら彼氏さんも罪悪感感じちゃうよ？｣



















周りを気にしつつも

桜らしい桜なりの気の遣い方



それだけでどっと肩の重みが取れた気がする



















『だね！全力で臣くんって叫ばなきゃ！』


桜｢そこまでいくと彼も泣くわ｣

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