脱蛙化現象契約3【岩田剛典】

125 岩田side ページ29

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『水飲むと生き返るなぁ』



















あの人が行ったという時点で

何となく感じていた違和感



















『でもずっと直人さんの隣だったから助かった〜』



















そう言って俺の隣に座ったAから


不意に香ってきた匂いに

違和感が確信へと変わった


















岩田｢･･･もしかして。A指名？｣



















恐る恐るした質問に



｢うん？｣

なんて。あまりにも普通に答えるもんだから


聞いた俺の方が驚いてしまう







仕事は仕事と割り切ってるやつなのは知ってたけど

こんなにも気にしねぇのかよ


悶々としてる俺がバカみてぇ



















『どうしたの？』


岩田｢なにが？｣


『顔怖い』


岩田｢そんなことないよ｣


『鏡で見せてあげよっか？』



















そう言ってスマホのカメラを起動したAの謎行動を一先ず止めて



はぁ、と一つため息を吐き

観念したように口を開く



















岩田｢･･･匂い。


直人さんの香水ってすぐ分かる」



















メンバー同士一緒にいる時間も長いと

自然と鼻に染み込んでいるわけで




キャバクラなんだから他の人のはいい

けど、こんな身近な人の匂いがすんのは気に食わねぇ



しかも俺の知らない所でって






不機嫌な俺とは反対に

未だ？を浮かべるAは自分の服を嗅いで一言



















『まだお風呂入ってないからね』



















いつもは自分の家で入ってから来てたけど

知られちゃったなら別にいいかな



とかなんとか



















岩田｢(そういう話じゃないんだけどな)｣



















言っても無駄なんだろうか

この天然な女の子には



そんなことを考えて頭を悩ましていた時

真っ直ぐに向けられていた視線とぶつかり合う



















『お風呂はいってきた方がいい？』



















そして察した。



















岩田｢(全然天然なんかじゃねぇ･･･！)｣



















ここ最近いじられることが増え

その都度こいつは俺の反応を楽しんでんだ



















岩田｢･･･入ってきて｣


















分かっていつつも

結局流されちまうんだけど


















『ふふっ、了解』


岩田｢ニヤニヤすんな｣


『はーい(笑)』


















･･･到底適いそうにねぇよ

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