脱蛙化現象契約3【岩田剛典】

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岩田｢お酒あげるから機嫌直して｣


『･･･そんな豪酒じゃないし。』


岩田｢ごめん。それはない｣



















わりと冗談で言った言葉だったけど

思わぬAの反論に即座に否定






あの後また二本追加して計四本

そのうちの殆どはA一人で飲んでたんだよ？



しかも別卓でも下ろしてたって聞いたし





それでこの仕上がりは相当化け物だろ


















岩田｢真面目にまだ飲む？｣


『流石に今日は肝臓もお休み』


岩田｢そんな言葉知ってたんだ｣


『大分抉ってくるね』



















そんなことないよ

むしろ俺が今日受けた痛みに比べりゃ全然甘い






そう･･･、俺。一応傷心中なんだ


















岩田｢A｣


『んー？』


岩田｢･･･ん｣


『･････？



･･･飛び込めってこと？』



















両手を広げて待つ俺の意図を口に出したAは

自分で言いつつもかなり不満げで




甘さの欠片も無い雰囲気に笑いながら

そっとその身体を抱き寄せた




恐る恐る背中に伸びてきた手が同意を示すことに安堵し


軽く一息付いて口を開く



















岩田｢俺はAと会えなくてグダグダだったのに

Aは全然普通に仕事こなしてて


ちょっと妬いたし。すげぇって思った｣


『そんなことないよ。今までで一番動揺してた』


岩田｢あれで？？前世武士かなにか？｣


『パパの家系はそうだって聞いたなぁ』


岩田｢真面目に答えんなよ｣



















密着した身体は

Aの笑いが自身にも響いてきて





愛おしい。

叶うならずっとこうしてたいと願うほどに






まぁもしそんなこと言ったら


｢身体痛くなるよ｣

なんて、現実的なことを言うんだろうな



















岩田｢俺が指名したかった。今度店、行っていい？｣


『目の前にいるのに？』


岩田｢それは別。接客されたいの｣


『ほえー』



















適当に返事を流すこいつは

きっと俺の気持ちなんて大して伝わってないのだろう



別にいいんだけどね


転がってたヒントに気づかなかったのは俺の方だし





雑人間なくせに美意識は欠かさない所とか

身につけてるもののブランド率とか


湧き出てくる酒代とか

















『でもこんなに近くで素顔晒してるのは剛典君だけだよ』



















それと

いちいち人のことをキュンとさせる


天然タラシな所とかね

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