脱蛙化現象契約【岩田剛典】

5 椎名sideー目覚め編ー ページ7

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『･･････朝。』


















外から聞こえるカラスの鳴き声と


閉じた覚えのないカーテンから差し込む光で目が覚めた







基本飲んだ日の起床はほぼ夕方に近い


アラームもなしに早朝に起きたことに驚きながら





もしかして1日寝過ごした･･･？


との考えが脳裏を掠めたが多分それは違う


















(床で寝ちゃったのか･･･。)

















視界一面のフローリングに嫌気がさしながらも



そもそも帰路の覚えがない私は

まず無事に帰れていることに自画自賛


















『･･･帰宅。私すごい』


















とはいえ床。普通に痛い

20歳という若者の身体でもがっちがちだ





猛烈にアルコール臭すごいし


一旦お風呂に入って二度寝しよう




と。身体を起こした所で気づいてしまった違和感

















岩田｢あ、起きた？おはよ｣

















スマホ片手にさも当然かのように挨拶する彼を


流石の私ももう幻想だなんて馬鹿なことは思わない






かと言って受け入れられるかと言えばそれも否
















『･･･なんで、いるの』
















寝起きプラス二日酔いで


掠れつつも何とか絞り出した声は我ながら情けない





質問を向けられた彼は

まんまテレビの中のイケメンっぷりだと言うのに
















岩田｢あー、やっぱ全部忘れちゃってる感じね｣
















ガシガシっと頭を掻きながら返ってきたものの

やはり現実味にかけるこの状況




本当に喋ってることに感動を覚えながら

乾ききった唇でなんとか言葉を紡いだ


















『あ･･･っと』


岩田｢ん？｣





『取り敢えず水飲んでいいですか？』

















ご生憎様喉がからっからで

こちとらろくに喋れないのだ





そんな私の言葉に彼は目を丸くして


盛大に笑ったあと｢どうぞ｣と、言う








そもそも我が家だし遠慮する必要は無いんだけどね






取り敢えず逃げるようにキッチンへと向かい


シンクに手をついて一息･･･






･･･つけるかよ。





























(昨日の私よ。なにをした。)

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