脱蛙化現象契約【岩田剛典】

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『ホント。頭上がらないですよね』



















私と桜の仲の良さは

間違いなく桜の気遣いの上にあるものだろう




桜が分かってくれるから

私は私らしく過ごすことが出来る


















岩田｢じゃあもし今後そういう人が他にも現れたら？｣



















改めて心友の偉大さに気づき

感動に浸りかけていた私に投げかけられた質問



















『んー。まずそうなった場合

このことについて話さなきゃじゃないですか



さっきも言った通り

私的には知られたくないことなので



その時点でないだろうなぁ』



















仮に話したいと思える人が現れたとしても


ここででくるのが蛙化現象



好きに応えられたら冷めちゃうから






要はめんどくさいのだ。椎名Aと言う奴は



















岩田｢ごめん。言い方が回りくどかったね｣


『･･･？』


岩田｢誰かと言うより

俺がそういう存在になるって言ったら？｣







『･･････はい？』



















比較的繕った姿を見せてきたつもりだったけど


想定外すぎる言葉に

不意打ちな声が出てしまった


















岩田｢既に知ってる時点で条件クリアだし｣


『なに、いって･･･、』


岩田｢それに結構得意なんだ。人間観察｣


『は、はぁ』


岩田｢Aちゃんがダメなそうな時はそっとしとくよ｣



















｢どう？｣なんて聞かれたって･･･



















『いやいやいやいやいや

それは多大なご迷惑をおかけするんで！』


岩田｢気にしない｣


『私が気にします！』


岩田｢俺がいいって言ってるのに？｣


『いいって言っても！』

















自分のことは自分がよく分かっている


だからこそこんなのを押し付けるなんて

あまりにもおこがましすぎて


















『大体どうしてそこまで･･･？』


















そう聞いた私に対して


彼は目を見開いたあとふわっと優しく笑って


















岩田｢さっきも言った通り

Aちゃんといる時間が楽しいから



Aちゃんだって

一人がいいってわけではないんでしょ？｣



『･･･う』





岩田｢じゃあ一緒にいさせてよ



もし利用しちゃうとか考えてるならそれは間違い

これは俺のワガママで







それを叶えられるのはAちゃんだけなんだから｣

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