脱蛙化現象契約【岩田剛典】

1 椎名sideー始まり編ー ページ3

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『好きってどうしたら続くのかな』


















吐き捨てるように疑問を口にしたのは深夜2時すぎ




｢もう1件だけ！｣

と、無理やり付き合わせたBARにて


3杯目のドリンクが半分になった頃だった


















桜｢またその質問？｣
















そんな私に対し、呆れたような声をあげたのは

高校卒業のタイミングで共に上京してきた幼馴染




















『ユイ結婚するんだって』


桜｢へぇ｣


『すごいよね』


桜｢うん｣


『羨ましいなぁ』


桜｢ねー｣

















机にひじを置いて頬杖をつきながら

クルクルとマドラーを回して答えるあたり


きっと真剣に答える気なんてないのだろう









学生時代のほとんどを共にしてきたんだ


今更あーだこーだ言うつもりは無いけどさ





少し不服そうな顔をした私に

桜も似たような表情をして口を開く


















桜｢あんただって対して羨んでないじゃん｣


『そんなことは･･･』


桜｢ないとは言い切らない｣


『うぅ』


















いつにも増してトゲが強いのは

きっと明日も学校があるのに付き合わされてるからなんだろな




万年フリーターの私とは違いますもんね

















『はぁー、恋したい』


















その言葉が本心か問い詰められれば


自信を持ってYESとは言えないけど･･･。






所詮はアルコールにおかされて剥き出しになった本能






付き合う付き合わないとか


シラフになって現実的に色々と考えたら

もうそれだけで面倒だし




酔ってる時くらい適当にいさせてくれ〜









あまりにも自分本意な考えに

幼馴染に対して申し訳なさを感じながら




面倒な現実と共にぐびーっと残りのお酒を飲み干す


















桜｢っていうかAの場合

恋愛云々より、人に興味を持つことからじゃない？｣


『といいますと？』


桜｢周りに関心無さすぎ｣


『否定はできないなぁ』



桜｢でしょ？


あんたが興味あるのなんて片寄君くらいだもんね｣


『推し〜♡』

















萎え萎え気分は

突然でてきた推しの名前で一気にハッピーモードへ







スマホのロック画面

こちらを眺める涼太君は何度見ても癒される






引かないでください

世の中のオタクの大半はこんなもんですよ。

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