Girl'sday* ページ30
*
辛い、きつい、痛い、動きたくない、何もしたくない、ぼーっとする。
『はぁ……』
｢妹者、どしたの?｣
『なんでもないよ〜』
月に一度はやって来る悪夢の日。
生理だなんて流石に言えず、弟者に誤魔化すように笑う。
｢そう?……顔色悪いけど｣
『……ちょっとだけ体調悪いかも』
｢酷いなら病院行った方がいいんじゃない?｣
普段家の中じゃ使わないチークや色の着いたリップクリームまで塗って顔色を良く見せているはずなのに、毎日顔を合わせている弟者には効かないようで大袈裟な事を言い出す。
『大丈夫だよ、よくある事だし』
｢よくある事なら尚更でしょ｣
『……ふぁｯ?!』
弟者と話していると、体が宙に浮く。
慌てて首にしがみつくと兄者の顔が近くまでやって来る、俗に言うお姫様抱っこと言うやつ。
さっきまでソファで寛いでいた癖にいつの間に背後まで来てたんだ。
｢兄者?!｣
すたすたと弟者を気にすることなく歩き出す。
｢寝てろ｣
『え、ほんとに大丈夫だよ?』
｢いいから｣
優しく降ろされたそこは私のベッドで、ぶっきらぼうな言葉とは対象的に優しい手つきで私の髪を愛でる。
｢流石に分かんねぇのは弟者くらいだろ｣
『気付いてたの』
｢会話で気付くわ……腰抑えてたしな｣
分からないよう伏せてたのに、と布団に丸まる私に言い難いだろうけどきつい時くらい休めと吐いて出ていく兄者。
こういう日は特に彼の優しさが沁みる。
ｺﾝｺﾝｯ
｢妹者ちゃん……?｣
『はぁい』
控えめなノックとおついちさんの声に返事をすると、困り顔の彼が入ってくる。
『あ、もうご飯の時間だっけ』
｢違うよ!……ごめんね朝気付けなくて｣
作らなきゃと起き上がろうとする私を止めて、申し訳なさそうに眉を下げるおついちさん。
『おっつん悪くないでしょ』
｢も〜、今日外出なきゃよかったぁ｣
今日は朝から外出していたおついちさんがごめんねほんと、辛かったよねとお腹を擦る。
『もー、病気じゃないんだから』
｢お薬飲みな?｣
今日は家事俺がしとくから、ちゃんと休んでてと促され薬を水と一緒に流し込む。
『ありがと』
コップを置いた手を広げると近づいてきてくれるおついちさんに抱きつく。
よしよしと子供をあやす様に頭を撫でてくれる。
たまにはこうやって優しく甘やかされるのも心地いいな。
辛い女の子の日も少し幸せに感じた。
*
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おかゆ*(プロフ) - 氷狐さん» 返信遅くなって申し訳ありません。良くお気づきになりましたね（笑）わかる人には分かるかなと作ってみました (2019年8月28日 5時) (
レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - お伽噺のやつオオカミは赤ずきんに恋をした(っだっけ?)を元にしてます? (2019年7月6日 14時) (レス) id: 7f7f2a9d56 (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - そうなんですね！！！では気長に待ってます！！！ (2019年2月24日 13時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ*(プロフ) - ツグミさん» ありがとうございます!とりあえず今1話目を書いているので書き終わり次第公開にするつもりなので、少々お待ち下さい! (2019年2月24日 13時) (レス) id: 0a5b73d94d (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - 妹者インカミン3突入おめでとうです！あ、3を見ようとしたらパスワードかかっててみれませんでした！すごく楽しみなのでパスワード教えてくれたら嬉しいです！！！お願いします！！ (2019年2月24日 11時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ | 作成日時：2019年2月6日 20時
