ただ貴女のことを想ってる｡

て ページ11

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ヒスイが罪を犯した･･･?




｢どういうことッスか？｣




恐る恐る彼女に聞く





｢人魚の世界にも人間と同じように破ってはいけない決まりがあるの。

破れば罰を受けるようなものも･･･ね｣





翡翠色の髪を耳にかけながらも彼女は言葉を続ける





｢私は最も破ってはならない決まりを破ってしまったの｣





｢何なんスか？それは･･･｣





｢『自分の欲の為に人間に触れること』｣




彼女は顔をふせてから続きを話す





｢溺れた人間を助けるときに触れるのはいいの
それは欲を満たすための行動ではないから｡

だけどキスやハグ･･･はその決まりを破ることに
なるんですって｣





僕は彼女がなぜその決まりを破ってしまったか分かってしまった






｢その決まりを破るとね。

災いが起きるんだって人魚も人も死んじゃうくらいの災いが｡

･･･今回は頬にキスしただけだったから海が荒れる程度ですんだけれど次は分からない｣





彼女は下唇を噛みしめ,何かを耐えているように見えた




｢だけど･･ね,それを知ってて私は罪を犯したの｣





｢!?なっ･･･なん･･で｣





ヒスイを見ると彼女の白い頬に涙が流れていた




｢だって勘久郎のことずっと好きだったから｣





｢･･･え｣




ヒスイが･･･僕を･･?




｢10年前に貴方を助けたときから好きだった
たぶんあの時に一目惚れしたの｡

長から貴方のことを聞いて医療の勉強もした

また会えるかもって思ってあの日からずっとあの岩場で勘久郎を待ってたの‼

･･･でも,もういいの｣






涙を拭いて彼女は洞窟の入口で尾ひれを海につける






｢これ以上貴方といて罪を犯したくはないの。

その罰で貴方を殺したくないの。

だから永遠にサヨナ･･･｣

　
　


僕は震える彼女を抱き締めその口をふさいだ

る→←っ

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