かわれました 33 ページ34
Aside
中原「一々うっせえーよ！手前は！太宰の野郎みてーなこと言いやがって！｣
久しぶりに誰かの口から"太宰"という単語を聞いたことで思わずサインしていた手が止まってしまった。
内心、私も中也さんもわかりやす過ぎでは？
なんて他人行儀なことを思い、ふいに寂しげな表情をしてしまった。
A『太宰さんみたいな事って...』
別に、悲しいわけじゃないのだ。
太宰さんがいなくなったって私のすることに変わりが出る訳でもない。寧ろ、振り回されずある意味平穏な日々を送っている。
ホントに、悲しいわけじゃない。
A『あの人に似るのだけは、死んでも御免ですね。』
なんて戯言を呟き、再び書類にサインをしていった。
チラッと中也さんを見上げると、何だ何だ、とわかりやすく眉間に皺を寄せていた。
思わず、顔に出過ぎですよ。と指摘すると、あぁ、別に...何でもねー、と帰ってきた。
それからは特に会話もなく、お互い仕事に励んでいた。時々、中也さんは私の機嫌を伺うようにチラチラと私を見てきたが、そんなわかりやすい行動に私も思わず気持ちが軽くなった。
そんな心地の良い静寂を先に切り裂いたのは中也さんで、座っていたソファーから立ち上がり、手前一枚の書類に何分かけてンだよ。と呆れながらまだ山積みになっている私の書類を数枚手にとって目を通した。
どれも単純なヤツばっかじゃねえか。と切れ長の目をこれでもかと丸々にさせ驚いたような顔をした。
今回だけだからな。ホントに馬鹿だな。などとブツブツ言いながら私の書類を半分以上持ち、先程まで座っていたソファーに戻った。
そんな事言いながら毎回手伝ってくれるのだ。何だかんだ良く出来た上司だな...なんて心中思いながら、ありがとうございます。と声をかけると短くん、とだけ返ってきた。
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彩乃(プロフ) - めっちゃ面白かったです！続き楽しみにしてます！！ (2021年9月18日 21時) (
レス) id: e9609c3893 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - すごく面白いですね！楽しみにしています。 (2021年8月5日 23時) (レス) id: ca65bd19a8 (このIDを非表示/違反報告)
ロザリー - 面白くて一気読みしちゃいました！続き待ってます！ (2021年7月30日 16時) (レス) id: c0377d5875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：（Magao） | 作成日時：2021年6月11日 3時
