かわれました 10 ページ11
Aside
驚きで声が出なかった。思ったより柔らかく、綺麗な声をしているなと思った。質問の返答については怖い、と素直に頷けず。時間を置いて首を何回も横に振った。
その冷めたような瞳に見つめられ続けると息が詰まりそうな、今までないほどの恐怖のドン底に叩き落とされた。
そして相手は、そう。と言うと遅れて爽やかな笑顔を向けてくれた。その笑顔を見て少し恐怖はなくなったが、まだ動くことは出来なかった。
「怖がらせちゃったかな?大丈夫?」
と優しく声をかけてくれたがそれにすら恐怖を感じた。すると、パパって事は...森さんの娘さん?そう聞かれ、森さん?と聞かれまだ脳が正常に動かないのかわからず顔を歪めた。
え...まさか。と相手は眉を顰めた。そして気付いた。森?パパの名前って森鴎外だったな。てことは私も森なのかな。なんて現実から逃げるように当たり前のことを考えた。そして、
A『も、森は...パパです。』
とやっと小さい声だったが発した。そうすると相手もニッコリして、矢張りね。と呟いたあと
「僕は太宰治だよ。君は?」
A『な、名前...Aです!』
言葉を発するだけでも精一杯なのに知らない人に名前を教えるとなると更に緊張した。けど、相手も名乗ったし答えなきゃいけない。そう思い、焦りと緊張で、思わずひっくり返った声と大きな声が出た。
やってしまった。そう思い更に体が強ばってしまったが、太宰さんはふっ、と小さく笑い
太宰「Aちゃんか。そんな強ばらなくて良いのだよ」
そう言われたがそれは難しく、苦い表情を浮かべただけだった。
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彩乃(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続き楽しみにしてます!! (2021年9月18日 21時) (レス) id: e9609c3893 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - すごく面白いですね!楽しみにしています。 (2021年8月5日 23時) (レス) id: ca65bd19a8 (このIDを非表示/違反報告)
ロザリー - 面白くて一気読みしちゃいました!続き待ってます! (2021年7月30日 16時) (レス) id: c0377d5875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:(Magao) | 作成日時:2021年6月11日 3時