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3 no side ページ6

「は..........?」




十四松は意識が飛んでしまっていた。
その位、遠慮なく殴ったのだ、長男は。

おそ松達は意味がわからない、
という風に長男を凝視した。

あの比較的穏和な長男が、
訳もなく人を、弟を殴った。

当の本人は、殴った方の手を
「いたた、華奢すぎデショ」
等と言いながらブラブラと振っていた。


「っ、てめぇ何やってんだよ!! 十四松何もしてねえじゃん!!」


堪らずおそ松が叫ぶ。
長男はキョトンとした後、
「ハッ、んなの知らねーよ」
とおそ松を不快そうに睨む。

初めて兄に睨まれ、おそ松は驚いた。
正直長男に誰かが怒鳴りつけたのも
これが初めてだった。

喧嘩が好きじゃない長男とは
あまり喧嘩をした事が無かった。


「ね、ねえ、A兄さんどうしたのさ......」


一松が控えめに問うと、
Aはニヤリと笑い「実はさぁ」と
何処か恍惚とした表情で一松の方を見た。


「俺、二属性なんだよねぇ。炎だけじゃねーの」
「...........え? それってどういう」
「だーかーらぁー」


Aが一松の目の前に手を翳した。


Aの手の平に小さな黒い渦........
言ってしまえばブラックホールの
ようなものが出現し、一松を引き寄せた。


「っ!? なにこれっ......うっ......」


一松がガクンと力を無くす。
Aが拳を握ると、渦は消えて、
一松が床へドサッと倒れ込んだ。

「あざーす」と、いつかの一松みたいに
言って満足気に笑った。


「お前またっ.........!!!」
「あーもう違うって。俺のもう一つの能力、闇なの。それ証明しただけ」


胸倉を掴んできたおそ松に
弁明するようにAが言う。


バキッと痛々しい音が響き、
Aが壁に叩きつけられる。


殴ったのは、カラ松だった。
その顔は憤怒に染まっていた。


「兄貴、幾ら何でもやり過ぎだろう」
「いったいなぁ」


殴られた頬を擦りながらAが立ち上がる。
「あ、物理でね?」なんて茶化していた。



「もう、お兄ちゃん怒っちゃったよ?
...........覚悟は出来てんだろうな」



Aの声が低くなる。


そこからは、まさに瞬殺だった。


1対4で戦ったというのに、
Aは圧勝した。



おそ松達が目覚めたのは、
この日から3日後だった。



その期間、Aも意識を失っていた。

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ライト☆SOS - こ、ここで終わりー!?面白いのに残念です。他の作品もどんどん出して下さい!! (2017年11月16日 17時) (レス) id: e3e352b14d (このIDを非表示/違反報告)
紅音(プロフ) - ここで終わりですか!?でもとても面白かったです!!>U< (2017年10月2日 18時) (レス) id: bc772ef229 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - お、終わり…ですか……なんか、残念です…でもスッゴい面白くて一気読みしてしまいました!こんな文才が羨ましいです…!素敵な作品をありがとうございました! (2017年5月13日 9時) (レス) id: 8334af748d (このIDを非表示/違反報告)
覇緒音(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます!サイバー味方とか…私得過ぎでしょ!おそ松兄さん素直じゃないねえニヤニヤ 速度の対立いいですね!速度girlなんですよ…wこれからも頑張ってください! (2016年10月7日 21時) (レス) id: 0cd944ebc4 (このIDを非表示/違反報告)
れす(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます! 応援も!! 精一杯頑張らせて頂きます......!! (2016年9月6日 20時) (レス) id: 29c0974efb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Re: x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2016年5月29日 16時

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