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thirty-one side.cyoro ページ36

「十四松、兄さんを全力で探して。ちょっとでも何か見つけたら、絶対に僕に言って。僕はあっち探すから、十四松はここを重点的に探してね。OK?」
「アイアイサー!!」


本当に大丈夫だろうか。

南側の崖を担当になった僕と十四松は
軽い打ち合わせをして二手に別れた。

十四松が谷間、僕が崖の上辺り。

まあ僕が探す所から十四松見えるし、
脱線してても軌道修正は出来る......か。


それにしても、ここ足場悪いなぁ。
ガラガラッとさっきまでいた
足場が崩れ落ちる。

僕は今十四松と別れて崖を登っている。

まあ別にこれくらいなら
能力を使えば楽勝で登れるんだけど、
もしここにゼオがいたら、と考えると
温存しておいた方が賢明だろう。

僕は、兄弟の中でも特に
能力を使える時間が短い。
1時間持てばいい方だ。

理由は七つ子だから。
双子でもよくある話だ。
双方で優劣が違うっていうの。

長男はかなり優れているが、
僕は劣っていた。

他の5人は普通だ。
能力はよっぽどじゃない限り
使えなくならない。

A兄さんと僕は異常だ。
兄さんは、炎属性なら幾らでも使える。
この間みたいに闇属性のせいで
消耗していなければ、
ほぼ無制限に能力を使える。

僕はどれだけ万全な状態でも
使える時間はたった1時間。

幼少期から、僕達全員は
それに気づいていた。

今思えば、二属性なのも
関係しているのかもしれない。

兄さんが十四松をぶっ飛ばして、
二属性を宣言した時、
心の何処かで納得した自分がいた。


ああ、そっか。って。


でも、僕は別に兄さんを
恨んだりはしてない。
だって兄さんのせいではない。

.......まあ少しは悔しいけれども。


兄さんは学生時代、劣った僕に
目をつけたいじめっ子達を追い払ったり
手を出したら俺が容赦しない、と宣言したり
僕に対して過保護な程尽くしてくれた。

恨むなんて、寧ろ出来ない。


今度は僕が助ける番だ。




「......っはぁ」




崖を登りきる。




早く、探さなきゃ。




焦燥感に駆られ、
俺は地面を蹴った。

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ライト☆SOS - こ、ここで終わりー!?面白いのに残念です。他の作品もどんどん出して下さい!! (2017年11月16日 17時) (レス) id: e3e352b14d (このIDを非表示/違反報告)
紅音(プロフ) - ここで終わりですか!?でもとても面白かったです!!>U< (2017年10月2日 18時) (レス) id: bc772ef229 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - お、終わり…ですか……なんか、残念です…でもスッゴい面白くて一気読みしてしまいました!こんな文才が羨ましいです…!素敵な作品をありがとうございました! (2017年5月13日 9時) (レス) id: 8334af748d (このIDを非表示/違反報告)
覇緒音(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます!サイバー味方とか…私得過ぎでしょ!おそ松兄さん素直じゃないねえニヤニヤ 速度の対立いいですね!速度girlなんですよ…wこれからも頑張ってください! (2016年10月7日 21時) (レス) id: 0cd944ebc4 (このIDを非表示/違反報告)
れす(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます! 応援も!! 精一杯頑張らせて頂きます......!! (2016年9月6日 20時) (レス) id: 29c0974efb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Re: x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2016年5月29日 16時

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