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第8話 影武者の流星
藤井side
智洋に教えてやるよ。
俺、本当は王子やないんや。
藤井「俺ってな、双子やねん。」
智洋「えぇぇ！？」
藤井「リアクションええな。元々は羊飼いの親から生まれた。ほんでな、片割れが借金の形で養子に出されて本当の王子になったんや。」
でも、本物の王子は、地位と権力に溺れて、
遊び呆けてたんや。
藤井「けどな、それが災いとなった。」
国の財政がきつくなったんや。
すると王子は金品欲しさに、
ジャックとかいうチンピラと絡んで、
巨人の宝を盗みに行ったんや。
智洋「ジャックって…あ！ジャックと豆の木！」
藤井「正解。けどな、巨人に見つかってん。」
巨人に見つかった王子は、巨人に蹴落とされて呆気なく死んでもうた。
ほら、巨人の国って豆の木を登った先にあるから、そこから落ちるって相当やな。
智洋「きゃっ…残酷。」
流星「しゃあない。そのくらいの過ちやったんや。」
そしたら、王子を失った王は慌てて俺ん家にやって来て、今すぐ来い！って連れられて今に至る。
王子が殺されるなんて、一大事やから同じ顔の俺を使って隠蔽したんや。
流星「子供のころ、おかんから呼ばれてた名前はシズマ。まぁ、流星の方がかっこええから今の名前も気に入っとるよ。」
智洋「おとぎ話って壮絶なんやね…」
王子と思ってたやつが、王子やなかったり、
邪悪な魔女も訳あって悪くなったんやと、俺は思っとる。
藤井「やからさ、智洋のオトンもさ…理由があるんやない？」
智洋「パパ？」
藤井「俺やって、白雪姫に毒リンゴ食わせたり、呪い掛けたり、あの女王には腹立っとるよ？けどな、今は怒り以上に女王があそこまで歪んだ理由が知りたいと思っとる。だってな、あの心優しい殿下の姪っ子があんな邪悪になるか？」
智洋「殿下？」
藤井「トモヒロ殿下。お前と同じ名前やな。」
智洋「………はっっっっ！ロビンフッド！ま、ま、マリアンヌってパパのことなん！？」
藤井「うーん。その話は、俺よくわからんな。」
智洋はさっきまでのムスッとした顔から、
おとぎ話に心奪われた純粋な少年に戻っていた。
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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます！グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました！ (2021年10月31日 3時) (
レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です！巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年9月17日 13時
