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第8話 燃やしてしまえ
智洋side
智洋「な、なんでここを!?」
横子「貴方!!入院患者を連れ出した上、小瀧先生にまで迷惑かけて!!」
嘘やん。
なんでここが!?
小瀧「……神山くん、ごめん。僕には理解が難しかった。」
スマホ片手に俯く小瀧先生。
しまった。
油断して真実を全部言うたら、
小瀧先生の頭がキャパオーバーしてもうた。
横子「重岡さん、わかったでしよ?現実を見て見ぬふりしてたら、こうなるの。」
重岡「………でも。」
横子「早く社会復帰したいんでしょ?」
重岡「……はい。」
横子「ならば、さっさと本を燃やしてしまいなさい。
!」
そういうと、台所のガスコンロを火をつけて……
重岡「わかりました。」
ボォォ
智洋「しげ!?あかん!あかーーーん!!!」
横子「貴方もしっかり見てるのよ。夢なんて見たって無駄たってことを。」
目の前で大切にしていた本は、
流しの中でひたすら燃えた。
あの人の手を振り払い、消そうと蛇口に手を伸ばした頃には、
すっかり灰になって排水溝へ流れていった。
横子「行くわよ。今度こそ、安田先生にしっかり治療してもらいましょ。」
智洋「嫌や!嫌や!!!」
横子「ええ加減にせぇよ!このサルが!!」
智洋「え?」
重岡「え?」
この人の怒鳴り声、なんで聞いた事あるんやろ?
しげも俺と同じ顔して驚いとった。
けど、すぐに思い出すことも出来ずに、
ぞろぞろと現れた職員さん達に取り押さえられた。
俺らはとうとう、東館の隔離病棟に閉じ込められてもうた。
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作者名:るびぃ | 作成日時:2023年1月22日 21時