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第7話 繰り返す過ち
小瀧side
智洋「あの人は流星っていって、小瀧先生の……白雪姫の王子様や!! 」
ICUで眠っていた人が、王子様?
小瀧「なぁ、神山くん?そもそも、僕男やで?」
智洋「今更、何言うてんねん?パパの呪いでしげも小瀧先生も男に変わったんやんか!」
重岡「……おれも?」
智洋「白雪姫とその娘のエマ王女。それが二人のホンマの姿やねん!」
神山くんには、他の人には持っていないアイデアと、
文才があるとは思っとった。
けど……
小瀧「ごめん。ちょっとタイム。」
この妄想には着いていけへん。
トイレに駆け込むと、ポケットに入れていたスマホを取り出して……
小瀧「小瀧です。智洋くんうちにいます。」
電話番号だけ知っとった僕は、町長さんへSMSを送った。
◇
重岡side
重岡「俺が……白雪姫の娘?」
きょとん。
今の俺はまさにこの表現が良く似合う。
智洋くんの発言は、どんなおとぎ話と比べ物にならないくらい斜め上をいく展開で………
智洋「せや。やから、こんなぞんざいな扱いしちゃアカンねん。それこそ白鳥みたいや。」
智洋くんって、町長さんの息子なんやろ?
なんでこんなにめちゃくちゃな事が言えるの?
重岡「智洋くんは、怒られへんの?」
智洋「なにが?」
重岡「町長さん、夢とかおとぎ話嫌いやんか?」
智洋「嫌いそうやんな。けど、あの人の親でもないのに怒られる理由が分からへん。ここのホンマの町長は中間淳太や。」
重岡「その人は今どこに?」
すると、シュンとなる智洋くん。
智洋「それが、おらんねん。」
重岡「はぁ?寝ぼけとんのか?」
智洋「寝ぼけてへんよ!
ハーデスに恋人の桐山さんが殺されてから、
ずっと塞ぎ込んどって、精神科通っててん。
そしたら、急に居なくなった。
付き添ってた晶哉が消える前、女の人と話してたって言うからその人を探しに病院に行ったはずなのに、
気づけばその人が俺の母親って。
あの人から横槍が入ったに決まっとるやん!!」
嘘なら、こんなに真剣な目で訴えてこないよな?
真実なのか嘘なのか。
気持ちが揺れ動くと……
ドンドンドン!!!!
横子「智洋!いるのはわかってるのよ!早く出てきなさい!!!」
ドアの向こうから町長さんが怒鳴る声が聞こえた。
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作者名:るびぃ | 作成日時:2023年1月22日 21時