ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン7 (ページ22)

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第21話ケルベロスの餌

ケンティーside

フウマ「ほらっ、餌の時間だ！片手の無い海賊と中年男、味は悪くないはずだ！」

デカい影に恐る恐る振り返ると、
ヨダレを垂らしたケルベロスがもう目の前。

丸山「……こら、万事休す。」

もはやこれまでと、目を瞑った時やった。

「アカンやろ？ケルちゃん。そっちはご飯ちゃうで？」

この声、まさか！！！

ケンティ「クルエラ！！」
末澤「よっ。」
フウマ「だ、誰だ！？」
末澤「末澤誠也、またの名はクルエラ・ド・ヴィル。」
丸山「あ、アンタ、仕立て屋やんか！！」
末澤「お妃様。どうも、ご無沙汰しております。」
丸山「トモヒロがアンタの服をえらく気に入っていたのを覚えているわ。」

挨拶も程々に、
クルエラは、フウマを睨みつけるとこう言った。

末澤「可哀想な子やんな。神話の真似事のために、首にこんな雑な縫い目を付けられて。」
ケンティ「縫い目？」
末澤「３つの頭は元々別の犬。アイツの我儘であたかもケルベロスのように作られたんやろ。なんて残酷なんや。」

え、待てよ。
ケルベロスって、人工的に作られたのか？？

末澤「残りの身体はどこ行ってん？」
フウマ「はぁ？お前の知ったこっちゃないだろ？」
末澤「そうかもな。けど、殺られたなら、やり返してもええんやで？…………ケルちゃん？」

ｶﾞﾙﾙﾙﾙﾙﾙ

クルエラの声に返事するかのように、
威嚇しだすケルベロス。

末澤「ほら、ご飯の時間や。」

すると、ケルベロスの視線は俺らからフウマへ変わった。

フウマ「ケルベロス？おい、ケルベロス。冗談はよせ。俺が今まで世話してやったんだぞ？」

ﾜﾝ!!!!!
ﾜﾝ!!!!!
ﾜﾝ!!!!!

フウマ「うっ！ヨダレはダメだ！」
末澤「せやなぁ、神話によれば、ケルベロスのヨダレはトリカブトらしいからな。」
フウマ「この恩知らず!!!」
末澤「何が恩や？ただの動物虐待やんけ。」

ｶﾞﾌﾞｯｯｯ!!!

フウマ「うわあああああああああああああああああああ!!!!!」
末澤「気が済むまで、たぁんと召し上がれ。」

こうして、フウマはケルベロスに血液一滴も残らず食い尽くされたのだった。