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最近は雨が降る日が続いている。
あー、今日も雨か。けっこう土砂降りじゃん。
大学の出入口では傘を持ち、講義を終えた学生たちが激しく出入りしていた。
そんな中傘を持たず、足を1歩出しては戻す仕草をする見覚えのある後ろ姿が見える。
傘持ってないのかな?
今にもそのまま歩きだしそうな彼女を見ていられず僕は声をかけた。
侑李「Aさん…?」
A「…あ!知念くん!」
驚いたのか、目を丸くするAさん。
侑李「もしかして、そのまま帰るつもり?」
A「あ、うん。今日傘忘れちゃったんだ…」
侑李「こんな梅雨の季節なのに、忘れちゃったの?笑」
A「急いで家を出たから…
今日、寝坊しちゃって。」
侑李「Aさんが?しっかりしてそうなのに。」
Aさんでも寝坊とかしちゃうんだ。
少しはねてる髪が急いできたことをあらわしてるようで微笑ましい。
A「え?私?そんなことないよ。笑」
侑李「だって、毎日弁当作ってくるし、引越しの挨拶だってしっかりしてたし。」
本人に言ったことはないけど、Aさんの弁当は本当に美味しそう。食べてみたいな〜って思うぐらい。
A「お弁当なんて簡単に作れちゃうものばっかりだし、挨拶はちゃんとしなきゃいけないからさ?」
侑李「でも涼介も大貴も言ってたけど、本当に美味しそうだよ、Aさんの弁当。」
どこまでも謙虚だ。笑
A「…あ、ありがとう。」
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作者名:MaChi | 作成日時:2018年8月13日 1時