case.03「あのお客さん怖いです」 ページ6
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この生活になって早くも一ヶ月が過ぎ、ポアロの仕事にも慣れてきた。
「お姉ちゃんが入れてくれるコーヒーは特別だねぇ。今日も美味しかったよ、また来るね」
『ありがとうございました!』
常連のおじいちゃんを送り、後片付けをする。
梓「あのおじいちゃんにすっかり気に入られたね」
『まぁ、ありがたいです』
梓「それじゃぁ、落ち着いたから買い出し行ってきてもいいかな?」
『はい、大丈夫ですよ。もしお客さんが来てもイレギュラーなことがなければこなせるので』
梓「じゃぁよろしくね」
『気をつけて』
お客さんもおらず、梓さんが買い出しに出て十分後、お店のドアが開いた。
『いらっしゃいまぁっ…!』
入ってきたお客さんに驚き、反射的に背を向ける。
男性客ふたりは普通に会話をしながらテーブル席に座った。
しばらくメニューを眺め店員を呼ぶ声。
「すみません」
『!』
ど、どうしよう…、梓さん、、って今私しかいなかった!
バレない?バレないよね。
他人の空似で片付けよう…そうだよ、向こうも気づかないよ。
だってこんなのありえないもん!
『はいっ』
お水を持って席に向かう。
気のせいだろうか、、目があった瞬間、男性ふたりが一瞬目を見開いた。
『お決まりですか?』
「たまごサンドとハムサンドひとつずつとアイスコーヒーふたつお願いします」
『かしこまりました』
貼り付けた笑顔のままキッチンに入る。
『っはぁ、緊張で息止めてた…』
バレてないよね。
でもこっちが堂々としてないと変に気づかれる可能性がある…
あいつら、一応警察官だし。
降谷零 と 諸伏景光 ―― 。
『お待たせしました』
景「ありがとう」
零「いただきます」
梓さん、早く帰ってきてくれ…。
そんな願いは虚しく、彼らの会計まで私がすることとなった。
『ありがとうございました』
零「美味しかったよ」
景「ごちそうさま」
『あ、ありがとうございます。また来てください』
建前です。
ふたりは変わらずニコッと笑いお店を出ていった。
『…はぁあ、、』
変な汗かいた…、息が詰まるかと思った。
でもあの様子だと気づいてないよな。
ふたりが帰ってしばらくしてやっと梓さんが帰ってきた。
梓「ごめんね!道が混んでて…大丈夫だった?」
『…えぇ、なんとか』
色んな意味で、、。
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しゃぼんだま(プロフ) - もんじゃ焼きさん» ありがとうございます!映画視聴しながらなので聞き取れなかったです。失礼いたしました (2022年5月23日 7時) (レス) id: c5bc469cff (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ焼き(プロフ) - 突然失礼します。35話の赤井さんのセリフですが、アイスコープでは無く暗視スコープだと思います。 (2022年5月23日 5時) (レス) @page37 id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
杏樹(プロフ) - はじめまして!いつも面白くて読んでます«٩(*´ ꒳ `*)۶» 主人公と松田陣平がくっついたらいいなと思ってます! これからも応援してます! (2022年5月15日 2時) (レス) @page18 id: e074b33c70 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - とても!面白いです!もっとみたいです!続きが気になります!お願いします! (2022年5月11日 19時) (レス) @page13 id: 060d418d69 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2022年5月10日 21時) (レス) @page12 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妄想たのしい | 作成日時:2022年5月8日 19時