検索窓
今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:724 hit

episode´13【村本の悩み事。】 ページ14

俺は、携帯を買った。
手続きなどは母にやってもらったが、お金を貯めて自分で買った。
まあ、そのお金も母と父が働いた金なのだが。

ひとつ、問題がある。

「じゃー進藤LINEするわ。
唐山も!メールするね」

小西にメアドを教えるか、教えないか。

小西はスマホ。 
ずっと前から。
俺は携帯を持ってなくて、小西の電話番号を、メアドを知らない。
でも今は、聞ける。

でも...
メアドを教えたらメールで事が済んでしまい、顔を見て話す時間が減るのではないか?
そんなことが心配で、教えられなかった。

「村本?どうしたの?」
「なんでもない。ごめん。」

小西に聞かれる。
お前のこと考えてた、なんて恥ずかしくて言えない。

「...もと、村本!」
「っ!なに?」

笑顔で尋ねたが、小西は少し不服な顔をしている。

「私になんか隠してる?
悩み事?」
「えっ」

バレているのか?

「話してよ!ねっ
あ、でも話せなかったらいいよ」
「...怒らないで、聞いてくれるか。」

もちろん、と小西は俺の横に座った。
誰もいない、技術室の10分休み。

まるで、カイワレ大根事件(俺はあの時少し悲しかったので、事件のように扱っている。)の時のようだ。

「俺、携帯買ったんだ。
...一週間前くらいに。」
「へえ!でも、なんで?
私別に、そんなことじゃ怒らないよ?」
「メアド、教えなかったから。
ほかの奴には教えたのに。」
「ああ...そういうこと。
別に、怒らないよ!」
「本当か?」
「うんうん、怒らない。でも、少しさみしかったな。」
「俺も...こんなことじゃ、こうやって顔を合わせて話せる時間が減るわけ、ないのに。」
「そうよ!メールでは話せないこと、いーっぱいあるもん!」


「うん、そうだな!
じゃあ、俺のメアド、後で教える。」
「りょーかいっ!」

そうだよ。
メールで話せて、また明日学校で話せる。
なんて幸せなことなんだ。

episode´14→←episode´12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:恋愛 , オリジナル , 学校   
作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みなみなさんさんみなさんさん。 | 作成日時:2015年8月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。