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episode'1 ページ2

春。桜が少し咲いている。
満開とは言えないその小さな花達を私は見て、そして微笑む。
今日は快晴。始業式日和なのだろうか。
私は今日から中学二年生。
四月の風は少し冷たい。


昇降口でクラス替えの紙を受け取り、しばらくみつめ、そして声を出す。


「クラス...あ、わたし二組だ。」
「あ〜、私も二組!よろしくね、小西!」



1年の時からの親友、進藤が言う。
よろしくね!と手を合わせる。

「わわわわわ」
「どした?」

わたしは叫びながらは進藤に、その名前を見せた。
私達と同じ二組のところにいる、その名前を。

「良かったやーん!」
「いやだあああああああ」

私が見ているのは、その名前、村本くん。
私がずっと前から好きだった人だ。

『わたし、2年生で村本くんと同じクラスになったら告るから!!』
『おー』

去年の自分を、恨みたい。

「告ってきなよ、ほら来た来た!!」
「よっしゃあ...」

村本くんが昇降口で紙を受け取っている。
一大決心、私はやるよ!
ずんずん、と進み彼の元へ。

「むらもとおおおおおお」
「?」

私は村本くんを見た。
振り返り、私を見つめる村本くんが、これから私の言葉をどう受け取るのかと思うと、鳥肌が立った。

「す、好きだぜ...?」
は、待て待て私。なぜ疑問系?
「...お、おう...?」
は、待て待て村本。なぜお主も疑問系?

私は意味深な告白をしてしまった。
周りに引かれているのが見て取れたが、私はすごく必死だったんだ。
村本は疑問系で返してきたけど。
でもその中では

「ちょっ、がち...?
良かったなむらwwwwwww」
「よかったじゃん」

と言っているやつも。

おう、は否定だと思い、私は進藤の元へ帰っていく。
ああ...恥ずかしい...

「村本!小西行っちゃうぞ!」
「う、ちょっ!」

村本くんは私に手を伸ばしたらしいのだが、私は気付かない。

「あああああ進藤うううう」
「どうだった?駄目?」
「もちろんですあ。」

がっくりと肩を落とす。
まあ気持ち伝えられたんだからいいじゃん、と進藤に言われても恥ずかしさと悲しさが渦を巻く。
あーあ。もう。
はあ。
こんな時でも四月の風は少し冷たい。

episode'2→←小西さんと村本くん。



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設定タグ:恋愛 , オリジナル , 学校   
作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
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作者名:みなみなさんさんみなさんさん。 | 作成日時:2015年8月27日 0時

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