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ハマの白猫(左馬刻Ver.) ページ6

「左馬刻、しばらくこの猫の世話をしてくれ。」
そう言って、事務所に来た銃兎にいきなり言われた。



「はぁ?なんで俺様が猫なんかの面倒見なきゃならねぇんだよ。」



「お前しか頼めるやつが居ないんだ。
猫なんか理鶯に預けたら……」



俺様と銃兎は、二人して頭に出かけた嫌な想像を打ち消した。



「……はぁ、分かった分かった。
で?その猫はどこにいんだよ。」



「あぁ、それはこいつだ。」



そう言って、銃兎はペット用の籠を取り出して机の上に置くと、「おいで。」と、声をかけた。



すると、真っ白で青い目をした猫がスルリと出てきた。



「綺麗な猫だろう?
こいつはノルウェージャンフォレストキャットの血統書付きだ。」



確かに、綺麗な猫だが…毛が長ぇな……



「世話をするにあたってはこの説明書を読んでくれ!
それじゃあ、俺はまだ仕事があるから。」



「あ、おい!」



バタンと部屋の扉が閉められた。
……おいおい、猫の世話なんかやった事ねぇぞ……



「…ッチ、あぁ、めんどくせぇ……
おい猫。今日からお前はこの家で過ごす。
そんで、自分のことは自分でやれよ。」



どうせ、言葉なんか通じないだろうと思い、机の上で行儀よく座るその猫に話しかけた。



すると、「…んなぁぅ」と言って、俺様の座るソファの上にひょいっと飛び移ってきた。



「あぁ?」



「……にゃぁ〜」



「……んだよ。」



「グルグル……にゃぁお」



喉を鳴らして、俺の膝の上に顔をのせすやすやと寝始める。
図々しいやつだ……俺様の膝の上で寝息を立てるなんてよ。



だが、悪くはねぇな……



〜 一週間後 〜



「左馬刻!猫の様子はどうだ?」



「あぁ?」



その猫は、俺様が勝手にチビ助と呼んでいる。
そして、懐いて俺様の膝の上から離れないほどだ。



「飼い主より懐かれているな……」



「知るか、俺様がここまで育てたんだ。
もう、俺の猫だろ。」



「お前なら、そう言い始めると思ってたよ……
相当気に入ったんだな。
その猫な。実はペットショップでもう処分されるはずの猫だったんだ。
成猫になっても買い手がつかなかったからな。
それで、俺がもらってお前に面倒をみさせた。
ちょっと早いが、誕生日プレゼントだ。」



「っは、チビ助はもう俺様のだ。
な?そうだろ、チビ助。」



「……んなぁ〜う」

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ちあき(プロフ) - 猫派でヒプマイが好きなので、得すぎてやばいです。続きが気になりますが…更新頑張ってください! (2019年3月29日 3時) (レス) id: c428feaf44 (このIDを非表示/違反報告)
あおと(プロフ) - この作品とても面白いのですが、ひとつ気になってしまいました... 。寂雷さんが小さい頃から飼ってる猫って、寂雷さんの年齢的に猫の平均寿命10年くらい越えてますよね(笑) (2019年1月16日 13時) (レス) id: 9daf57d34a (このIDを非表示/違反報告)
もっさん┌(^o^≡^o^)┐(プロフ) - 可愛いです。猫派なので余計やばいです。頑張ってください! (2018年12月10日 18時) (レス) id: fece1989e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花火 | 作成日時:2018年12月3日 23時

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