もう一人の、人斬り。【るろうに剣心】(加筆・修正中) (ページ13)

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第二話　再会。壱。(加筆中) ページ13

――――朝。

「町は人が多いでござるな」

久しぶりに集まったらしき彼らは、食材を買うために町へと繰り出ていた。

「――――そうね。弥彦(やひこ)、赤べこの牛鍋を私たちでつくるって言ってたけど……、できそう……？？」
「できんにきまってんだろ？？」
少女に、にこりと笑いかける少年。

その少年の名を明神(みょうじん)弥彦といった。

そんな彼をみながら少女は「じゃあ私も手伝おうかしら」といえば、引いた表情をする少年。

「なによ……私も頑張って作るわよ」

いやいや、と、あり得ないというような表情になりながら、少年は言い放つ。

「……お前が？無理だろ、まさに天と地ほど差があるじゃねえか」

「……なっ、なによ、日頃から剣心に教えて貰ってるから、ちゃ……ちゃんと作れるわよっ」

焦りからなのか、捲し立てるように早口になる少女に、弥彦は呆れたようにため息を吐いている。

少女はため息を吐いた少年から目を反らす。

「ねえ、この前のさかなの煮付けが美味しくなかったか、ら――？？」

そして、横にいた少年を見ようと振り返ったが。

「あれ、弥彦？？剣心……どこ行ったのかしら――って、うそ！？い、いない……ど、どこにいるの」

いつのまにか、彼らは居なくなっていたのだ。少女は焦りを見せながら、周りをキョロキョロと見渡すが、それらしき人影は見受けられない。

少女の名を神谷(かみや)薫。昔から代々続く流派――――神谷活心流(かみやかっしんりゅう)の創設者である父の意志を受け継ぎ、道場を運営する少女である。

仕方なく、少女は道を歩く。なにせ店の名前も把握していないのだ。