【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？ (ページ40)

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file3.邂逅とコナンくん。ver.7 ページ40

川崎(かわざき)実桜。病院を営んでいる実家の一人娘である。実桜にとって、前世の朱莉とは小学生のころからの大切な友人同士でよく遊んだりしたものの、就職を機に疎遠になっていた。彼女とは次の日に映画館に一緒に行く予定があり、ワクワクしていたそんなときに、訃報が届いたのだ。

その日は、テレビを見ながら夕飯を食べていた。

「ふんふんふーん。今日の晩御飯はオムライス！！」
次の日、私はあんたと映画館に行く約束をしていたの。

『次のニュースです。神奈川県○○町××番地で車の衝突事故が発生しました。』というアナウンスが流れると、実桜は「あ、衝突事故があったんだな」とそれくらいしか認識していなかった、あんたの名前をきくまでは。

『その事故で被害者とみられる女性、宮橋朱莉さんが死亡しました。』
「……は？？」
(は……！？あかりって言った！？ )

思わず立ち上がり、テレビの画面を凝視したテレビの画面を凝視した実桜は予想外だと感じながら、こういう事故はどこかの遠い世界の出来事で起こるもんだから、この人が朱莉なわけがないと、そう思うことで精一杯で、実感がわかなかった。

「嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ」
実桜は思わず箸を落とし、テレビの画面を見るとそこには、『衝突事故死亡大学生宮橋朱莉(24)』というテロップと、笑顔で写っているあんたの顔写真が映っていた。その表示のまま
『現在、加害者と思われる車の運転手は逃走中で警視庁が引き続き調査を進めています。』とアナウンサーが読み上げていたが、嗚咽で聞こえなかった。

(は……？？朱莉が、あかりが、亡くなった……？？ )
その日のご飯は、美味しくなかった。

闇が深くなってきたころ。探したって、無駄なのにねと思いつつ、ボーッとして生きている心地がしない虚無感の中で、私は死んだ朱莉(あなた)を探しに外に出た。
(私はAがいない毎日が楽しくない。今まで楽しいと思えていたのは、Aのおかげだったのに……こんなことって、あんまりだよ)

道路に仁王立ちで立つと、「早く、私を殺してくれ。お願いだから。」と何回も叫んだ。気を抜けば、彼女が笑顔で自分を見て、実桜に「なに？？どうしたの？？」と笑いかけるような気がしたあと、朱莉はこの世にはいないということを痛感し、ひどく絶望した。

一通り叫んだあと、家に戻ろうと足を進めた直後だった――制御不能となったトラックが向かってきたのは。