【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？ (ページ30)

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file2.数年がたち学生となった彼女の挑戦 ver.14 ページ30

梓が、なぜか笑い始めるという、目の前の光景を理解できず戸惑っていると、「謝んなくてもいいのにー。ちょっとからかいたくなっただけだよ」と可愛らしい笑顔で言われ、たじろいでしまったAは、「そ、そんなにからかわないでくださいよ～……き、嫌われてなくて良かった……」と返す。

もちろん最後に言った「嫌われてなくてよかった」という声は聞こえないように小声で言ったつもりだったのだが。

「当たり前だよ、新人さんなんだから、ね？」優しく言った梓に聞こえることはないと疑うことのなかった御子は、まさかの結果に戸惑いつつ、「え、き、聞こえてたんですか」と返すも、「うん。丸聞こえでした」とはっきりと断言されたため、小声ではなかったことに、少し恥ずかしくなって俯いた。

そんな状況下で思ったことは、「マジか」という感想だった。それしかなかった。

不思議なやり取りをしていれば、今度は「梓さんとAさん、すっかり仲良くなってますね」と言った彼の一言に梓は「え！！そ、そうですか！！」と慌てている。
まさか、ここで安室透が話に参加してくるとは思っていなかったので、Aは予想外なことばかり起こるなあ、と思ったのだった。

「ええ。本当に」と笑っている
安室が心からそう言ってくれているのだろうと感じれば、不思議とA自身も嬉しい気持ちになり、「……ありがとうございます、梓さん」と感謝のお礼をすれば、梓は気にもしていないのか「なになに？？なんかあったの？？もしかしていいこと……とか？？」と言って和やかに笑っていた。

夕方。談笑して三人で笑って、自己紹介を終えて、そして、業務も一段落した、お客さんがいないこの静かな店内に、聞こえるのはアナログ時計の針を刻む音と、この喫茶店――「ポアロ」の店内の雰囲気に合わせているような、洒落たBGMに切り替わった午後八時頃――――。

「そういえば、Aさんって大学生でしたよね？？」梓が食いつくかのように、聞いてきていた。
「はい。帝都大学法学部の2年です」
名探偵コナンの漫画で見ている東都大学ではなく、入学したのは帝都大学だった。帝都大学は原作にはなかった大学で、米花町から少し離れた場所に設置してある、由緒正しき歴史を持つ私立大学である。
(帝都大学なんて、原作にはなかったんだよなあ。完全にアレ？ご都合主義ってやつかな？？ )