第四話 行方と恋愛事情？？ 弐拾。 ページ9
『ちょっと勝手にあたしの年齢偽んないでくれない？？』
『でも、子供じゃん。精神年齢的に。』
『う、うるさい。』
『あんたが子供じゃないんなら。薫だって立派な大人よ。』
『確かに、そうだけど……。』
『そうだけど……って微妙ね。』
そう言った瞬間なんとも言いがたい空気が流れた。そこから数分、口を発することなかったが、その空気に痺れをきらした
『はあ。じゃあ、薫に聞いてみるから。』
そう言った瞬間Aは驚き、実花に声をかけようとしたが意識の波に飲まれてしまった。
「ねえ、薫。」
Aではなく実花はたんたんと薫を呼ぶ。
「どうかした？ 頬が赤いよAさん。」
いま気が付きましたというようにAを見ながら答える彼女。神谷薫。
「そう？ 」
「うん。」
「……なんでか、わかる？なんて、可笑しいよね。」
「え。うんおかしいよ、なに言ってるのか分かんないもん。いつものAさんならそんなことは聞かないでしょ！？ 」と困惑したように彼女は答えた。
「そうだね。確かに、聞かないよ。聞いてみたかったから聞いてみた。ただ、それだけだよ。」
そういうAさんは大人の雰囲気を感じさせ、いつものどこか抜けている彼女ではなくなっていて。
「答え、知りたい？？ 」
「え。や、あの。」
「大人がやるやつ、かな。君にはまだはやいんよ。それとも。」
――なにを表しているのか、分かるって言うの？？
なんとも言えない不安を感じた薫は、率直に彼女の名前を発した。
だあ！ヤバイね、薫の反応がまるではじめてなのっていうくらいなんだけど！！かわいー。実花は薫をぎゅっと抱き締めたり、頭を撫でたりしている。
「薫は〜みたことある？？ 大人向けの本〜？ 」
「え、――えっと。」
戸惑ってはいるが僅かに頬が赤い。
『実花。私の体で変なことしないで。』
『してないじゃん。』
『してるよ。』
そう。今のAではなく実花は薫の上に馬乗りになっている。正確に言えば馬乗りになっているだけなのだが。
「薫〜。」
「Aさん、退いてください！！ 」
「やーだよ。」
『実花！！ いい加減に！？ 』
Aがそう言って声をあげた。なぜなら彼がみていたからだ。
「おろ。A、と、薫殿。なにをしているでござるか？？ 」
あちゃー、剣心起きちゃったよ本人が起きたよどうするつもりなのかなあ？？
第四話 行方と恋愛事情？？ 弐拾壱。→←第四話 行方と恋愛事情？？ 拾玖。
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作者名：みーー | 作成日時：2022年10月3日 5時
