もしも……………… 2nd

α11 カイト王子の苦悩 ページ48

「……何やってんだよ、彩」

呆れたような顔をしながら、心なしかハルマ君達にガンを飛ばしている気がする

すると、同じ事を思ったのか、アオイ君が笑う

「まぁまぁ裕樹。今日はお前に会いに来たんじゃないんだよ」

そうして、私の肩に手を掛け、ぐいぐいと押す

「わ、アオイく……っ」

向かった先には、ポカンとしたカイト王子のところ


うっ、凄く見られてる………


「見て見てカイト君！彩ちゃんかわいいでしょぉー！」

ハルマ君がワクワクすると言ったような声で話しかけるが、いつも笑ってくれるカイト王子も、今は何も言わない


ど、どうしよう………

こういう時何て言えば良いの！？

わ、笑って流す！？

でもそんな達者なことが自然と出来るわけが…………


「かわいい………」


「え？」



「かわいいよ、アーヤ」


しっかり目を見て答えられ、息が止まる

今までだって、何度も言われた言葉なのに


こんな、真剣に……………


瞬間、頬が熱を帯びる

自分でもわかるくらい、しっかりと


「あ、あ、ありがとうございます！こんな服着たことなくて、着なれてないのバレバレだと思うんですけど！」


顔をそらして口走るが、正直何を言ったかよく分からない

すると、座っていたカイト王子が立ち上がり、クスッと笑った

不思議に思って見上げれば、顔が段々近付いて……………


「かわいくおめかししたアーヤも、いつものアーヤも、どっちも好きだよ」



え



「ねぇねぇ彩ちゃん！次はいつ遊ぼっかーー！！」

「今度はちゃんと！がっつり遊ぼうぜ！」

「そんな怖い顔しなくても、裕樹だけ仲間はずれにしたりはしないよ」

「いやそんなこと今はどうでも良い」


私の一瞬の世界規模の動揺は、ハルマ君達によって意識する前に飛んでいった


でも今、今…………



プロポーズされちゃったと、はしゃいだのはいつだっけ

あの頃のことは鮮明に思い出せるのに、感じ方が違うのは、





あの頃とは関係性も、変わってるってことなのかな

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