もしも……………… 2nd

α11 カイト王子の苦悩 ページ45

「あそこにいるのって……カイト君の好きな子じゃない？」


ハルマ、アオイ、コウセイがいるのは、あまり人が通らない道

ダンススタジオで練習し、コンビニにお昼を買いに出た

だが仮にも3人はトップアイドル

カイトは単独の仕事でいないが、3人でも十分騒ぎになる

だからわざと、人通りの少ない道に沿ったコンビニ

だがそんな道で、3人は衝撃的なものを見つけてしまった


目の前にいるのは明らかにメンバーの想い人で、バックの妹、立花彩ちゃん

そして、その彩ちゃんの手首を掴んで、ぐいぐいと引っ張る男3人


これは……………



「いやっ。やめて離して！」

「なぁにぃ？先に手ぇ出してきたのはそっちじゃ〜〜ん。俺、まだ手首も肩も痛いんだけどぉ〜」

「さっきの女の子は君が逃がしちゃったから、君で赦してあげるって言ってるんだって〜」

「おらっいくぞっ！」

「やだっ！誰かっ！誰かぁ！「ぐあっ！いっってぇ！んだてめぇ！」


少女の必死な叫びに重なる、今まで危害を加える側だったハズの、男の声


「いっ！」

「うぅっ！」


立て続けに聞こえる、男2人のうめき声


「これ以上彼女に手を出すな。警察は呼んだからな、2分ほどで着くだろう」


少女は突然あたたかなものに肩を抱かれ、そのたくましい胸に頬が当たる

「大丈夫。絶対守ってやるから」


黒木君……？

いや、上杉君…………？


ううん違う


顔がよく見えない

マスクしてるし、帽子も……………


でも………………



もう、大丈夫だ


怪しくない訳じゃない

この人たちが去った後、また襲われるのかもしれない


そんな危険な可能性も、無くはないのに

少女はなぜか、とても安心していた

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